総合理工学研究科の理念?目的,教育内容等
総合理工学研究科(博士前期課程)
理念?目的
総合理工学研究科は,理工学の研究拠点として,特色ある先端的研究,従来の枠組みを超えた学際的研究,地域社会と連携した研究などを高度に推進することにより,21世紀の科学技術と社会の持続的発展に寄与します。同時に,これらの研究に裏付けられた理工融合型教育をさらに発展?深化させ,個々の専門分野に留まらず,関連領域まで俯瞰できる総合的視野を持った創造力豊かな高度技術者?研究者を育成します。
このような理念?目標を実現するため,総合理工学研究科博士前期課程には,一専攻体制の下に領域横断型の理工?医連携コースと専門深化型の七つのコースとからなる八つのコースが設置されています。また,外国人留学生(国費及び私費)とともに修学する『英語による「地球」教育研究特別プログラム』が設置されています。
各コース及び教育研究特別プログラムにおける入学者受入方針や教育内容等は以下のとおりです。
教育内容等
- 学部基礎教育の上に立って,専攻する分野の体系的知識?技術や研究方法を修得させ,これを応用する能力,課題に対する探求?解決能力を育成します。
- 専攻分野に関連する幅広い分野の基礎的素養や理工融合型視点を涵養し,総合的?国際的観点に立って技術開発や研究を進めることのできる素養を持った人材を育成します。
理工?医連携コース
- 入学後の教育
本コースでは理工学の通常の専門科目の他,総合理工学研究科と医学系研究科の教員が共同で担当する科目を設けており,学生はそれらの中から関心の高い科目を選択し履修していきます。本コースの総合理工学研究科所属の教員は他の7つの何れかの教員を兼ねています。学生は教員による指導の下,修士論文執筆に向けて研究を進めていきます。 - 修了後の進路
他の7つのコースと同様の進路の他に,医療機器メーカーや医療研究機関等の技術者?研究者の道も開かれています。
物理?材料科学コース
物理学およびその学際領域の基礎知識を基に,新材料の開発,物質のミクロ構造解析,物質機能のメカニズムの解明,粒子多体系としての物質の理論的解明,物質の根源である素粒子の研究など多種多様な研究を推進しています。
- 入学後の教育
物理?材料科学コースは,理学及び工学分野から構成され,物質構造,物質機能,量子物理グループからなっています。基礎から応用まで,また学際的領域にわたり幅広く学ぶことが可能です。研究を通して深い専門知識と広い視野を持って,自ら考え,解決する能力を身につけた人材を育成します。 - 修了後の進路
修了者は,金属,電気?電子,半導体などの製造業,情報関連の企業の研究?開発者として職を得ることが可能です。また,理科教員,官公庁,博士後期課程への進学などの進路も可能です。
物質化学コース
- 入学後の教育
化学系の理学及び工学分野から構成されており,人類に有用な物質の創製や高効率で環境負荷の少ない物質?エネルギー変換技術を開発するため,物質の機能を合理的に理解し,化学,応用化学領域で高度な専門知識と問題解決能力を備え,広い視野を持ち国際的に活躍できる高度専門技術者?研究者の人材養成のための教育を行います。 - 修了後の進路
修了者は,博士後期課程への進学あるいは化学関連企業を主とする広範囲の製造業,素材メーカーの技術者?研究者,各種研究機関?大学の研究者?教員,中学?高校教員などとしての職を得ることが可能です。
地球資源環境学コース
本コースは,地球物質システム学,環境地質学,自然災害工学の3分野からなります。地質学,地球科学から社会のニーズに対応した工学的分野までをカバーした教育を行っているユニークなコースであり,また,多くの留学生を受け入れています。
- 入学後の教育
本コースでは充実した最新の研究設備を駆使して教育?研究を行っています。修士論文の研究を通じて,科学的観察力,思考力,判断力を持ち,自主的で創造的な人材を育成します。また,留学生や海外の研究者との交流を通じて国際化の時代に対応できる人材を養成します。 - 修了後の進路
地質?建設?土木?環境系コンサルタント企業,資源?エネルギー系企業,国?地方公務員,博物館学芸員,教員,さらに博士後期課程への進学などの道が開けており,現在多くの修了生が社会で活躍しています。
数理科学コース
- 入学後の教育
数学について幅広く,又は集中して学びます。論理的な思考能力や問題の発見?分析?解決能力,柔軟な発想力を養う教育を行います。 - 修了後の進路
数学の教員,ソフトウェア関連企業を含む情報?通信系企業や,幅広く,製造?流通?金融?保険?教育関連などの企業,公務員,又は博士後期課程への進学などの進路が開かれています。
情報システム学コース
- 入学後の教育
ソフトウェア?ハードウェアのものづくりを実現するための講義?セミナーを提供するとともに,指導教員のもとで研究を実践し,成果を学会発表あるいは特許?実用新案申請することを修了要件とします。 - 修了後の進路
ソフトウェア関連企業を含む情報系企業?通信系企業や一般企業の情報関連部門などへの就職,博士後期課程への進路が開かれています。
機械?電気電子工学コース
本コースは制御システム工学,計測システム工学,電気電子システム工学,電子デバイス工学の4領域からなっています。
- 入学後の教育
学生は各専門分野の研究室に配属され,特別研究を通じて専門的で独創的な研究教育を受けることができます。また,講座間の強い連携のもとに総合的に配置された講義やセミナーを受講することによって機械?電気電子工学分野の専門知識を深めることができます。 - 修了後の進路
修了後は,自動車,精密機械,電力,エレクトロニクス,情報処理などの関連企業や公務員など多方面への就職が可能です。さらに博士後期課程へ進学し,より深い専門知識の修得と高度な最先端の研究を目指すこともできます。
建築?生産設計工学コース
本コースでは都市計画,建築計画,建築構造などに関する諸課題及び木材?セラミックス?金属?コンクリートなどの各種材料を対象にして,その変換技術?物性解明,それらを用いた各種産業分野での諸課題に関する研究を実施しています。これらの領域の理工学的知識?評価方法を実験?講義を通して修得するとともに,資源環境の総合的視野に立った創造力と判断力を有した人材の育成を目指した大学院教育を行っています。
- 入学後の教育
都市計画,建築計画および建築構造に関わる領域や木材?セラミックス?金属?コンクリートのほか様々な天然資源を対象にして,材料設計?プロセス計画?製品評価に関わる領域についての知識と能力を有した人材育成をめざした実践的教育を行います。また,所定の科目を履修することにより,一級建築士の資格受験に要する最大2年の建築実務経験が認められる場合があります。 - 修了後の進路
住宅?建築関連企業,木質系材料関連企業,金属?高分子材料関連企業,資源?環境関連企業,官公庁や公共団体などへの就職及び博士後期課程への進学が可能です。
英語による「地球」教育研究特別プログラム
本プログラムは,地球資源環境学コースを中心に,物質化学コース,機械?電気電子工学コース及び建築?生産設計工学コースの一部の教員からなる特別プログラムです。本プログラムでは,人類社会の持続可能な発展のために解決すべき地球規模の課題のうち,地球環境,エネルギー?資源,大規模自然災害などに関連して,地球科学の観点から教育研究を行うために,先端地球科学コース,地球資源学コース及び地球環境災害学コースを設置しています。
本プログラムでは,外国人留学生とともに教育?研究指導を行うことにより,大发体育人大学院生と外国人留学生の双方に対し,共同学習を通した異文化社会の理解を深めるとともに,国際的な視野と競争力をつけ,かつ広く人類社会の発展に貢献できる人材を育成します。
- 入学後の教育
本プログラムでは,地球科学,地球環境,エネルギー?資源,大規模自然災害などを学ぶため,コースの枠を越えた特別のカリキュラムを設定しています。セミナーと特別研究以外の授業はすべて英語で行われます。外国人留学生や海外の研究者との交流を通じて国際化の時代に対応できる人材を養成します。 - 修了後の進路
博士後期課程への進学,国際的コミュニケーション能力を持つ高等技術者,教育者への道が開けます。
総合理工学研究科(博士後期課程)
理念
総合理工学研究科は,理工学の研究拠点として,先端科学及び先端技術の研究,従来の枠組みを超えた学際的研究,地域社会と連携した研究などを高度に推進することにより,科学技術と社会の持続的発展に寄与します。また,総合理工学研究科博士後期課程においては,博士前期課程教育において修得した高度な理工学分野の専門知識?技術をさらに深め,これらを実社会において活用し,社会の科学?技術的発展に寄与貢献できる国際的通用性と総合的視野を持つ創造性豊かな高度技術者?研究者を養成します。
目指す教育
- 専門とする分野の高度な体系的知識?技術をさらに深め,これを活用する能力,研究課題を設定できる能力,独立して高度な技術開発や研究を国際的レベルで遂行できる基礎的能力。
- 習得した知識や研究成果を基に,後進を指導?助言できる能力。
求める人材
- 本研究科の「理念」を理解し,理学,工学及びその融合分野における研究意欲を強く持ち,修得した科学?技術分野における高度な専門的知識や技術をもって国際社会や地域社会に貢献?寄与する意欲がある学生を求めます。
- 深い学識の修得に熱意があり,かつ研究活動に自発的に取り組むことのできる学生を求めます。
- 志願する教育研究コースの入学者受入方針に従い,当該コースにおける教育研究を達成できる博士前期課程修了相当の学力を持つ学生を求めます。
- 社会人であって入学後の研究目的が明確であり,自身の社会人としての経験を活かし,実践的な研究に強い意欲がある学生を求めます。