公開日 2024年11月06日
2024年6月に公募があった第65回リバネス研究費である沿岸生態系に係る研究助成金「潮だまり財団賞」に、島根大学大学院自然科学研究科博士前期課程環境システム科学専攻1年の三木芽衣さん(指導教員:倉田健悟准教授)の「沿岸潟湖における海藻群落が生物群集に及ぼす影響 - 時空間変動と文脈依存性」が採択されました。
この研究助成金は、荒廃しつつある沿岸海洋生物資源の回復を目的に2024年4月に設立された一般財団法人潮だまり財団(東京都渋谷区、代表理事:川口晋)が今年度初めて公募を行ったもので、全国から応募があった若手研究者や学生の中から20名が選ばれました。沿岸海洋生物資源の回復につながる研究として、「海草、海藻に係る生態学的研究」「海洋生物資源のモニタリング?回復?活用に係る研究」「沿岸域の豊穣性向上に係る人工的構造物に関する研究」「豊かな沿岸生態系による観光?地域活性化に係る研究」に関連するテーマが公募の対象でした。
島根県の中海の沿岸にはオゴノリやウミトラノオといった海藻類が繁茂する藻場があります。世界的には海藻類の異常繁茂による沿岸生態系への負の影響が報告される一方、海藻類は多くの種類の水生生物の生息場所となったり、近年では二酸化炭素吸収の役割が期待されるなど、正の効果があることも知られています。中海では海藻類を刈り取って肥料として利用する活動(藻刈り)が行われており、持続可能な活動のために適正な刈り取り時期や量の情報が求められています。三木さんの研究テーマは、中海の海藻類の現存量の変化がどのように生物群集に影響しているかを明らかにしようとした意欲的な内容で、これまでの研究結果から今後の進展が期待されての受賞となりました。
関連情報サイト:
https://shiodamari.or.jp/news/article42/
https://r.lne.st/grant/65-shiodamari/
リバネス担当者とのオンライン面談におけるスクリーンショット