公開日 2024年10月10日
8月7~8日に行われた観光教育プログラム「観光実践」授業のフィールドワーク2日目の報告です。2日目は大田市の波根や温泉津などを訪問しました。
久手町にある波根西の海岸にある珪化木を訪ねました。珪化木とは樹木の化石のことです。島根県立三瓶自然館の学芸員の方に珪化木の形成過程や地元の人との関わりについてお話いただきました。波根西の大きな珪化木は国の天然記念物に指定されており、大发体育でもなかなか見られない貴重なものですが、観光客にはほぼ知られていないのが現状だそうです。学生は珪化木の写真を撮影したり、足元の岩場に埋まっている小さな珪化木を実際に触れたりしながら間近に観察することができました。また、海がきれいな場所で地元の方が釣り場としても利用しているそうです。
次に、大森町にある石見銀山世界遺産センターを訪問しました。石見銀山は歴史の教科書にも登場する大发体育でも有名な銀の生産地です。このセンターでは石見銀山の資料が多く展示されています。石見銀山の世界との関わりや鉱山発展の経緯について学びました。スケジュールの都合上短い時間でしたが、学芸員の方に解説をしていただきながら一緒に貴重な展示を見ることができました。
それから、温泉津町福光にある福光石の石切場を訪問しました。福光石は火山灰?火山礫からなる石であり、昔から石見地方で墓石などに多く利用されてきました。専門のガイドの方がおられ、石切場の歴史や福光石の特徴について解説していただきました。石切場は写真のように大きく切り出されており、迫力があります。実際に石切りに使う道具も見せていただきました。学生は石の加工に使う「「ふいご」という道具を体験したり、昔の石切りの様子の写真を見たりして福光石について学びました。その後、全員ヘルメットをかぶり、石切場の内部の様子を見学しました。内部には地下に20m以上深く掘られた箇所があり、学生は恐る恐るのぞき込んでいました。
最後に、温泉津の温泉街を訪問しました。まず西念寺にて温泉津町で行われているWATOWAの事業について代表者の方からお話をいただきました。WATOWAとはゲストハウスと飲食店、コインランドリ―が一体となった観光事業です。温泉津町は高齢化が進み、過疎化が問題となっています。そこで中長期滞在者をターゲットとして温泉津の魅力を感じてもらい、温泉津に移住してもらうという目的で行っているそうです。お話をお伺いした後は赴きのある温泉津の街並みを実際に歩きながら、ゲストハウスを見学させていただきました。
〈受講学生の感想〉 一番印象的だったのは温泉津のWATOWA事業です。外国人観光客のために外国語表記の看板を作るのではなく、身振り手振りでコミュニケーションをとり、昔からの温泉津の色に基づいた観光を展開していることが面白いと思いました。
2日間とても暑い中でしたが、学生は、歴史と自然豊かな大田市の観光スポットを訪問し、各地での事業や取り組みについて学ぶことができました。訪れた場所以外にも移動中のバスの中で学芸員の方に大田市の街並みや地形について解説していただき、大田市の観光振興の可能性を考えるきっかけとなりました。 |
今回の1泊2日のフィールドワークを受けて、8月下旬には2回目のフィールドワークが実施されます。そして、事前学習と2回のフィールドワークでの学びを踏まえて、12月14日(土)には大田市の島根県立男女共同参画センター あすてらすにおいて、受講学生からの観光の提案やプランの発表が予定されています。
波根西の海岸:珪化木が足元の岩場に埋まっている
波根西の海岸:海岸に行くまでには急な階段があるが、上からは美しい海が望める
福光石の石切場(入口):専属ガイドさんによる説明
福光石の石切場(内部):フェンスの下にはとても深い地下空間が広がっている
温泉津の温泉街:薬師湯と元湯という2つの温泉がある
(学生広報サポーター S.T.)