公開日 2024年02月06日
生物資源科学部 舞木昭彦 准教授は、「生物同士の関係の豊かさゆえに生じる互いの影響の相殺効果」が自然のバランスを保つ鍵であることを世界で初めて突き止めました。舞木准教授は、異なる生物種どうしの影響のしかたは2種の間でさえ一通りでなく、多様に影響しあうこと(デュアル相互作用)に着目し、デュアル相互作用が、互いの生物個体数への影響を無効化する働きがあることを計算により示しました。生物どうしの相互作用が弱いことが、生態系のバランスにおいて重要であることが知られていましたが、その新たな仕組みを提案するとともに、相互作用の弱さは必ずしも関係性の弱さに起因しないことを示しました。一見同じ弱い相互作用でも、その損失が生物種の存続に大きく影響するかどうかは、生物種どうしの関係の強さに依存する可能性があることを示唆しました。本研究成果は、生物保全の観点から重要な示唆を与えています。
詳細はこちら → 報道発表[PDF:658KB]
今回の研究成果は、次の論文として公表されています。
Akihiko Mougi (2024) Dual species interaction and ecological community stability. Ecology.
https://esajournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ecy.4251
参考リンク
広報しまだい:生物多様性の進化?維持メカニズムを解明し、生態系の仕組みの理解へ
/_files/00083010/no_24.pdf
「持続可能な開発目標(SDGs)」に対する本学の取り組み:計算で解き明かす生態系のバランスのしくみ
/introduction/policy/sdgs_files/13/13_17.pdf
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