公開日 2023年12月08日
材料エネルギー学部?尾原 幸治教授が参加する研究グループが、相変化メモリの高度化につながる、圧力下でのガラス相転移機構を解明しました。
本研究グループは、高輝度の放射光X線を使用した高圧回折実験と機械学習を用いた数値計算シミュレーションを組み合わせ、圧力の変化に伴う相変化材料(ガラス)の原子配列の変化を調べました。
その結果、大気圧下で見られた「パイエルス様歪(ひずみ)」と呼ばれる規則的な原子の配列が、圧力の上昇に伴って抑制されることが分かりました。また、それに伴ってガラスの体積弾性率が上昇する(圧力を受けても体積が変化しにくくなる)ことも明らかになりました。さらに、このようなガラスの相転移のメカニズムは、過冷却液体と呼ばれる別の状態において観測された相転移の機構と本質的に同じであることも分かりました。
相変化材料が持つ過冷却液体としての性質は、光ディスクへの書込み速度やデータ保持性に重要な役割を果たします。本成果は、パイエルス様歪が相変化材料の性質を左右する本質的な構造的特徴であることを示し、相変化メモリなどの高度化に向けた新材料開発の指針となる可能性があります。
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【お問合わせ先】
材料エネルギー学部 教授 尾原 幸治
TEL:0852-32-6655
E-mail:ohara[at]mat.shimane-u.ac.jp ※[at]は@に置き換えてください