公開日 2023年07月06日
島根大学は令和4年度から,JST(国立研究開発法人 科学技術振興機構)の高校生を対象とする科学技術人材?地方創生人材育成プログラムである,グローバルサイエンスキャンパス(GSC)を実施しています。
島根大学GSC2年目である令和5年度は,定員の50名を上回る66名の受講申し込みがありました。そして7月2日に,このプログラム(島根大学GSC)の第1ステージである【研究への誘い(キックオフセミナー)】を,対面とオンラインを併用して開催しました。会場の生物資源科学部1号館2階大会議室には,20名の受講生が参加しました。遠隔地の受講生はオンラインで参加しました。
キックオフセミナーでは,まず,本事業の実施主担当者である大谷浩理事に挨拶をしていただきました。大谷理事は挨拶の中で,胎児の成長過程をテーマに,ご自身が研究の過程で経験された未解明の科学的な謎に挑む楽しさを話されました。
その後,島根大学GSCの第1ステージ【研究への誘い】の講義として,生物資源科学部の山本達之教授から,「科学史」の講義がありました。古代ギリシャの哲学者のアリストテレスが科学の発展に与えた影響の話題から始まって,錬金術の時代を経て,現代科学が成立して来た歴史の話が,主に「化学」の歴史を中心に丁寧に解説されました。続いて,生物資源科学部附属生物資源教育研究センターの松本真悟教授から,「賢者は歴史に学ぶ~研究?開発の視点を歴史と伝統から見出す~」と題する講義がありました。伝統的農法を現代の科学の観点から見た時,そこには合理的な理由が隠されていること,新しい農法を考える時に,このような伝統的農法がヒントになることなどを、実例を挙げて丁寧に解説されました。最後に,松田みゆきコーディネータから,島根大学GSCの全体的な流れと今後の予定の説明があり,キックオフセミナーは終了しました。
7月9日には,引き続いて,【研究への誘い】の2日目の講義を予定しています。島根大学GSCでは,受講者の選抜を行った後,合格者(定員40名)は8月と9月に【研究の萌芽】の講義を受けます。その後,9月中に最終選抜を行って,合格者(定員15名)が,最終ステージの【研究実践の喜び】に進み,指導教員の研究室に所属して,研究を開始する予定です。
今後とも島根大学GSCをよろしくお願いします。
大谷理事の開講挨拶を聴く受講生