公開日 2023年01月11日
島根大学戦略的研究推進センター 石垣美歌助教、関西医科大学 人見浩史教授、香川大学医学部 西山成教授、関西学院大学 尾崎幸洋名誉教授の共同研究が「Scientific Reports」に掲載されました。
この共同研究では、iPS細胞からエリスロポエチン(EPO)産生細胞への分化誘導過程における細胞内分子組成変化を、ラマン分光法によって捉えることに成功しました。EPO産生細胞の移植や、EPO産生細胞から採取されたEPOの投与による腎性貧血への治療が期待される一方、細胞の安全性の担保や安定した細胞培養技術の確立など、解決すべき多くの課題があります。本研究では、細胞分化に伴う分子組成変化を非染色イメージングにより可視化し、EPO産生細胞への分化判別評価のためのバイオマーカーを非破壊的に導出しました。
本結果は、iPS細胞からEPO産生細胞への安全かつ安定的な自動細胞培養システムの構築を可能とし、次世代細胞評価技術の開発につながると期待されます。
▼論文情報
Ishigaki, M., Hitomi, H., Ozaki, Y., Nishiyama, A. Exposing intracellular molecular changes during the differentiation of human-induced pluripotent stem cells into erythropoietin-producing cells using Raman spectroscopy and imaging. Scientific Reports, 12(1), 1-10, 2022.
https://doi.org/10.1038/s41598-022-24725-1
▼本件に係る問合せ先
島根大学戦略的研究推進センター 石垣美歌 助教
電話 0852-32-9799