【学生取材】島大初の工学系新学部!材料エネルギー学部(仮称)について

公開日 2022年07月27日

  令和5年4月に材料エネルギー学部(仮称)の設置予定を前に、今年4月に東北大学より着任された工学系新学部設置準備室の三原毅特任教授(以下「三原特任教授」)にお話を伺いました。

  三原特任教授は、島根県出雲市出身で出雲高校を卒業されました。研究分野は、非破壊検査や超音波計測、材料加工、組織制御と、多岐にわたります。現在、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー?産業技術総合開発機構)での事業化プロジェクトとして、企業と共に石炭火力発電の老朽化対策を軸に研究を実施されています。


【掲載用】その2

「島根大学では、材料開発を中心的に研究?授業展開をしていく」

Q:理学部と工学部の違いは何でしょうか?

 

A:今回新たに設置する新学部は完全な工学部に位置付けられます。理学部は「真理探究」を目標としており、その研究が社会の役に立つかどうかは重視されません。一方、工学部は「社会貢献」が目標であり、社会の役に立つ研究しか行わないところが大きな差異になります。工学系新学部でも、そういった価値観で研究や教育を展開していきます。

 

Q:新学部の展望について教えてください。

 

A:多くの工学部は総合学部なので、機械?電気?化学?建築?材料など多様な分野があります。今回設置する新学部は、設置認可の条件が県内産業の育成?活性化であり、島根県産業の40%が素材産業なので、全国ではすごく異例なことだけれども、材料のみの工学部として島根県?島根大学?島根県産業界が一体となって設置に取り組んできました。

 教育面では、既存の工学部材料系同様、金属をベースとした教育はもちろん、化学系の先生方にも参加頂き、有機材料や無機材料、セラミックス、生体材料なども加えた広範な材料を対象にしていきます。既存の金属材料についても、本学で現在“次世代たたらプロジェクト”で、ジェットエンジン用の耐熱合金の研究が実施されていますが、新学部でもこのプロジェクトとも連携しながら、磁石や発電素子センサーなどの機能性材料開発、鋳造材料の研究も進めていこうと思います。

 

【掲載用】その1

   「新学部だからこそ新たなことに挑戦したい」

Q:新学部の特徴は何でしょうか?

A:例えば従来の金属材料の開発は、鉄に様々な添加物を加えていくとある組成で突然素晴らしい性能が出現するので、ひたすら成分を変えて分析や機械試験を繰り返す、長時間の実験が不可欠です。科学技術は大きく進歩しましたが、金属材料の特性発現は極めて複雑で、今も基本的には大きく変わっていません。しかし、近年の情報技術の進歩に伴い、特に10年前位から、AI等を駆使したコンピュータ解析で材料開発を行う研究が試行されてきました。現状、金属材料ではなかなか上手くいっていない状況ですが、新学部の入学生が社会で活躍する頃には、おそらく実用され材料開発の主流になっていると考えています。そこで新学部では、他大学に先駆けて、マテリアルズインフォマティクスの系統的教育をスタートします。
 さらに、起業家教育(アントレプレナーシップ)も行います。実施に当たって、東京大学の宮脇 守先生に話を聞いたところ、『アントレプレナーシップとは、各人が持っている知識や技術を社会実装することを常に考え続けること』だそうです。新学部では、全教員が自分の研究について共同研究等を通して社会実装することを目指しますので、教員?学生を問わず、アントレプレナーシップ教育を実施することにしました。具体的には、先生方の研究テーマの一部を学生に提示し、少人数で1年間事業化を考えさせる必修授業を実施します。テーマを与えた先生は彼らを指導し、主体的に関係企業に話を聞き、最終発表会では企業の経営者にも意見を貰って成長していきます。さらに3年次の選択科目、4年次の卒論でも、先生と社会実装を想定した共同研究も視野に入れて行きます。ただ、どの大学もこういう試みは経験が無いので、教育成果については非常に楽しみです。
 

【掲載用】その3

「新学部や大发体育から未知なる可能性を見つけていきたい」

Q:新学部に興味を持つ高校生、大发体育に向けて一言お願いします。

 

A:新学部は材料に特化した工学系学部ですが、既存の材料系に比べ、化学系教員と情報系教員を多数配置した広範な分野を対象にしています。材料を分かり易く教えていきますので、安心して飛び込んでください。島根の地で、若者の発想を生かしながら、共に新たな歴史をつくっていきましょう。

 

~最後に~ オープンキャンパスの誘い

 

 現在島根大学では、新学部「材料エネルギー学部(仮称)」のオープンキャンパス参加者を募集中です。どんなことを学べるのか、どんな材料に触れられるのか、些細なことでも興味を持たれた方は、ぜひともご参加ください。たたら製鉄の長い歴史を持つ島根の地で、材料について学び、新たな時代を切り拓いてみませんか。下記URLより皆様のご参加を心よりお待ちしております。

 

 

〈島根大学オープンキャンパス2022 材料エネルギー学部(仮称)〉

〇日時:8月9日(火)
午前の部 10:30~12:00(受付 10:00~10:30)
午後の部 13:30~15:00(受付 13:00~13:30)

〇受付場所:大学ホール

 

〈申込はこちらから(受付締め切り8月6日)〉

https://daigakujc.jp/toc_det_1767_1.html

 

 

(学生広報サポーター取材 稲垣 亮太、 撮影 奥村 しょうた)

お問い合わせ

企画広報課
TEL:0852-32-6603