公開日 2022年06月03日
島根大学には、国の登録有形文化財に指定されている貴重な歴史遺産があります。それが、島根大学旧奥谷宿舎です。
旧奥谷宿舎は、現在の島根大学の前身である旧制松江高等学校の外国人教師向けに築造された建物です。大正時代に流行した急勾配の三角屋根をもつ木造2階建ての建物となっています。アールデコ調の彫刻が施された階段の手すりや漆喰で作られた天井飾りは、今も築造当時の様子をとどめています。
戦前は、「著作権の父」として有名なウィルヘルム?プラーゲ博士や、永井隆らに影響を与えたフリッツ?カルシュ博士などが暮らしていました。戦後は、島根県の英語教育に尽力したバーソルド?アロンスタイン博士などが暮らしました。
その後、宿泊施設や大学教職員宿舎として利用されていましたが、2009年10月に建造当初の状況に修復され、現在は島根大学総合博物館分館としての役割を担っています。常設展示には、島根大学や旧制松江高等学校の歴史に関する展示や、宿舎に暮らした外国人教師を顕彰する展示、島根大学の著名人を顕彰する展示などがあります。地域市民?学生?留学生?観光客が集う交流の場となっています。
旧奥谷宿舎では現在、期間限定で写真展「ハンス?シュワルベ博士がいた頃」が開かれています。シュワルベ博士は、1939年から1945年まで、旧制松江高等学校でドイツ語の教鞭をとりました。この写真展では、シュワルベ博士とご家族の当時の暮らしや、地域の方との交流の様子、現在まで続く繋がりについて、多くの写真や資料と共に学ぶことができます。また、展示されている写真と同じ場所で写真を撮り、過去の記憶に思いを馳せることも、楽しみ方の一つとなるでしょう。
この写真展の開催期間は、6月26日(日)までとなっています。旧奥谷宿舎は、土日祝日のみ開館しています。皆さんも、この機会に是非、旧奥谷宿舎に足を運んでみてはいかがでしょうか。
(学生広報サポーター 取材?撮影 村田明日香)
写真展についてはこちら:/docs/2022041100059/