公開日 2022年04月04日
総合理工学部の笹井亮教授が参加する研究グループ(千葉大学、広島大学、高輝度光科学研究センター)が、陰イオン交換能を有する層状希土類水酸化物の機能を駆使し、水溶媒中で固体ブレンステッド塩基触媒として応用することに成功しました。
また、化学反応が水中で加速される要因が、触媒の周囲に多量に存在する水分子が層間内の陰イオンと複合体を形成し、ナノサイズの反応空間を特異的に「リフトアップ(拡張)」することであることを世界で初めて突き止めました。さらに、放射光X線を用いてその過程を直接観測しました。
「触媒」とは化学反応を促進させる物質のことで、今回開発された固体ブレンステッド塩基触媒は、反応物から水素イオンを引き抜く作用があり、溶液に溶けずに機能することから、水溶媒中での有機合成反応を効率的に行うことができ、SDGsの目標7(エネルギー)、9(イノベーション)および12(持続可能な生産)に掲げられている目標を実現させる機能性材料といえます。
本研究成果は、2022年4月4日に英国化学会が出版する『Catalysis Science & Technology』誌に掲載され、表紙を飾るカバーアートに選出されました。
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水中で化学反応を加速させる新しい固体触媒の開発~触媒反応空間の「リフトアップ」過程を放射光で直接観測!~[PDF:1.21MB]
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