公開日 2022年03月02日
島根大学 総合理工学部の曲助教?葉准教授は、高知工科大学 古田教授と共同で、次世代半導体材料の低温合成手法を見出し(図1, 2)、代表的な酸化物半導体である非晶質InGaZnO(IGZO)(用語1)の10倍以上かつ、現在実用化されている多結晶シリコン(LTPS)(用語2)を凌駕する、世界最高性能の酸化物薄膜トランジスタ(用語3)を実証しました(図3)。合成した水素化多結晶酸化インジウムは透明かつ低温合成可能であり、次世代ディスプレイや半導体メモリーの高性能?低電力化に加え、透明フレキシブルデバイス(用語4)などへの発展が期待されます。
本研究成果は、英国科学誌「Nature Communications(Nature Research社)」に2022年2月28日付けで公開されました。
DOI:10.1038/s41467-022-28480-9
(用語1)非晶質InGaZnO:インジウム(In), ガリウム(Ga), 亜鉛(Zn), 酸素(O)から構成され、原子配列に長距離秩序がない酸化物半導体材料。
(用語2)多結晶シリコン:微小な単結晶シリコンの結晶粒が多数集合したもの。現在、電子部品の素材として実用化され、主流となっている。
(用語3)薄膜トランジスタ:携帯電話やパソコン?テレビ等、全ての情報表示ディスプレイの画像表示において、電気の流れを制御するキーデバイスであり、金属/絶縁体/半導体を積層した電界効果トランジスタの一種である。
(用語4)フレキシブルデバイス:薄くて軽く曲げたり巻いたりできるデバイス。
問い合わせ先
総合理工学部
電話:0852-32-6095