公開日 2019年11月14日
8月29日にKKRホテル東京で行われた、2019年度「牛乳乳製品健康科学会議」学術研究の成果報告会にて、人間科学部身体活動?健康科学コースの宮崎亮准教授が、「離島在住高齢者のフレイル予防に資する牛乳?乳製品摂取の網羅的疫学調査-歩行能力?バランス能力に着目して―」の調査結果を発表し、優秀賞を受賞しました。10月29日(火)には、島根大学において、乳の学術連合牛乳乳製品健康科学会議の池上事務局長から表彰を受けました。
宮崎准教授の調査は、隠岐の島町役場と島根大学地域包括ケア教育研究センターとの共同研究として、健康診断に参加した一般高齢者男女678名を対象として行われました。調査の結果、牛乳?乳製品摂取量が多くなるにつれ、握力だけではなく歩行速度も統計的に有意に良好な結果を示し、その結果、要介護のフレイル*(虚弱)と診断された人の数が有意に低下していました。
フレイル予防に必要な牛乳?乳製品摂取量を分析したところ、牛乳に換算して1日に1本以上であり、本研究の結果は、高齢者が牛乳?乳製品という身近な食品を摂取することで、体力維持、そして介護予防に役立つことが示唆されました。
?〇宮崎准教授の受賞コメント
この度は、優秀賞という過分な評価をいただき驚いていると同時に、大変光栄に思っております。人間科学部は、地域貢献に役立つ研究、人材の養成を目標としており、地域の一般住民の方々の健康づくりに直接寄与するデータを出せたことを大変嬉しく思っております。
本研究では、体力が虚弱予防に重要な役割を果たすことを明らかにできました。私の所属する身体活動?健康科学コースは身体活動(運動)を中心とした健康づくりを目指しており、我々のコースの意義を示すことができたものと自負しております。
最後に、本研究は島根大学地域包括ケア教育研究センターとの共同研究で実施されたものです。ご支援いただきました隠岐の島町役場、そして調査へご参加いただいた隠岐の島町の住民の皆さまに厚く御礼申し上げます。
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〇池上事務局長のコメント
乳の学術連合牛乳乳製品健康科学会議は、牛乳?乳製品の価値を高める研究を公募し、特に優れた研究を表彰しています。宮崎准教授の研究は、毎日牛乳1本を飲むという手軽な行動がフレイル予防になるという、牛乳?乳製品の価値をわかりやすく伝えることができている点が評価されました。フレイル予防の評価は、立ち上がり動作や握力で行われることが多いですが、今回はそれに加えて歩行速度という新しい視点で評価を行っている点が評価のポイントとなっています。また、島根県の隠岐の島町の高齢者を対象に調査を行っており、地域に根付いた研究であることも評価されました。
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*フレイル:フレイルは虚弱の指標となるもので、体力、体重、気力の低下等で診断されます。虚弱は要介護の大きな危険因子で、フレイルの有症率は65歳以上の約10人に1人、予備軍は約3人に1人と言われています。
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表彰の様子
宮崎准教授(左)と池上事務局長(右)
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