公開日 2019年10月09日
10月3日(木)、しまねソフト研究開発センター(itoc)にご協力いただき、くにびきメッセにおいて第89回島根大学サイエンスカフェを開催しました。本学の医学部附属病院クリニカルスキルアップセンター長、狩野 賢二 講師を迎え、心肺蘇生法の機械学習による解析をテーマに開催し、24名の参加がありました。
心肺停止または呼吸停止に対する一次救命処置であるBLS(Basic Life Support)は心肺蘇生、AED、安全の確認行動等で構成され、傷病者を社会復帰に導くことを目的としていますが、より効果的なBLSを身に付けてもらう観点から、クリニカルスキルアップセンターでは機械学習によるBLS行動解析を行っています。クリニカルスキルアップセンターのインストラクターの佐藤 直氏と狩野講師との軽妙な掛け合いで会場を盛り上げてBLSの紹介をしつつ、その効果的なBLS定着の手法として、機械学習による分析、分析結果の提示による指導が実施されているとの説明に参加者は興味深く聞き入りました。
心停止、窒息など、生命の危機的状況に陥っている傷病者を救命し、社会復帰に導くためには、確実なBLSにより酸素を脳などに供給することが大事であり、その手法を着実に身に付けるには、回数を重ねると同時に質の高い実習を行うことが肝要です。そこで、クリニカルスキルアップセンターでは、質を担保するために、機械学習によるBLS行動解析および胸骨圧迫の圧の深さ、速さを数値化して分析を行い、その分析結果を実習者にフィードバックしており、株価予測などビジネスに広く利用されている機械学習の適用範囲の広さ、可能性を改めて認識する機会となりました。講義終了後は、参加者による専門的な内容を含む多数の質問があり、今後の発展が期待できるサイエンスカフェとなりました。
次回は10月10日(木)に、島根県大田市温泉津町にある清水大師寺において開催します。講師に法文学部の宮本恭子教授を迎え、「人生100年時代の介護問題-介護する人もされる人も安心して暮らし続けるために-」をテーマにお話しいただきます。
今年度のサイエンスカフェのスケジュールは「令和元年度島根大学サイエンスカフェ開催のご案内」に掲載しております。
引き続き、皆さまのご参加をお待ちしております。
講演する狩野センター長
講演する佐藤氏と会場の様子
講師の指導に従い実習を行う参加者
質疑応答の様子