公開日 2019年07月24日
7月20日(土)、第112回島根大学総合博物館アシカル講座 「江戸時代『石見国絵図』を読み解く」を開催しました。この講座は、令和元年度 島根大学総合博物館アシカル講座 第1ステージ 「石見学III ~ 石見のこれまでとこれから ~」 (まつえ市民大学連携講座)の第2弾になります。
今回は、総合博物館の会下和宏副館長が講師を務め、毛利時代や江戸時代の石見国絵図について解説しました。
まず、毛利時代や江戸時代前半までの石見の絵図では、海岸線が実際よりも南側に曲がっていること、江の川や高津川が大きく描かれていること、石見銀山の鉱山都市の家並みが詳細に描かれていることなどの説明がありました。
また、柵列に囲まれた石見銀山を中心に街道が伸びており、江戸時代にはたくさんの番所が設けられているなど、幕府による銀山管理の厳格さがうかがえるとのことでした。このほか、毛利時代の絵図に描かれた山城は、石見銀山以外にも点在するその他の鉱山や主要街道沿いといった戦略的に重要な場所に立地することなどの解説がありました。
講座のあと、参加者からは、「絵図に盛り込まれた様々な情報は幕府の指示によるものか?」「国絵図以外にも個別の村の絵図もあるのか?」など、活発な質問がなされました。
今回の講座で紹介された絵図の一部は、総合博物館展示室に常設展示してあります。お気軽にご見学ください。
次回のアシカル講座は、「海のたたら、川のたたら ~ 石見のたたら製鉄 ~」【8/24】です。引き続きよろしくお願い致します。