公開日 2019年01月31日
1月19日(土)、広島市まちづくり市民交流プラザにおいて第2回島根大学特別講座 in 広島(島根大学古代出雲文化フォーラムVIIプレ企画)を開催しました。
第2回の講師は、本学卒業生で島根大学古代出雲文化フォーラムVIIでもご講演予定の石田爲成氏(岡山県古代吉備文化財センター)に務めていただき、「吉備の王墓」というテーマでお話いただきました。
弥生時代後期後半(2世紀後半頃)、岡山県倉敷市に、直径が40m以上もある楯築墳丘墓が造営されます。この墳丘墓は、木槨と木棺からなる埋葬施設、木棺内に敷きつめられた大量の朱、副葬された鉄剣や玉類など、 その規模や内容が他の墳丘墓を凌駕していることから、強大な力を持った吉備の王の墓と考えられています。また、この墳丘墓からは、大型化し装飾された特殊器台や特殊壺と呼ばれる土器が見つかっています。この特殊器台?特殊壺は、出雲の西谷3号墓からも見つかっていて、当時、出雲と吉備との間に交流があったことが想定されています。
また、特殊器台は、畿内の古い前方後円墳(3世紀後半頃)からも出土していることから、弥生時代に吉備で創出された祭祀が、古墳時代前期におけるヤマト王権の古墳祭祀にも引きつがれていったと考えられています。
以上のように、弥生時代後期後半から古墳時代前期にかけて、古代の吉備は重要な役割を果たしていたようです。参加された広島の皆様も、吉備の王墓や、吉備と出雲?畿内との交流について熱心に耳を傾けておられました。
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