公開日 2019年01月11日
附属図書館では、2019年1月9日(水)に第10回ラーコモカフェ「障がい者支援はなぜ必要なのか?」を開催しました。ラーコモカフェは、図書館コンシェルジュ主催のイベントであり、附属図書館のラーニングコモンズにゲストスピーカーをお招きしてお話を聞くというものです。
今回ゲストスピーカーとしてお迎えしたのは、本学の障がい学生支援室の野﨑明彦先生です。
大发体育では、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が平成28年4月に施行されたこともあり、障がいや障がい者支援について耳にする機会が増えてきたように思います。しかしながら、「障がい者支援って具体的にどうしたらいいの?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、「そもそも障がい者支援はなぜ必要なのか?」という根っこのところも含めて、専門家にわかりやすくお話をしていただくことになりました。
野崎先生によりますと、これまでの障がい者支援は周囲の善意による「おもてなし型」が主だったけれども、これからは障がい者自身がどのような配慮を必要としているのか伝える「自己表明型」に変わっていくだろう、しかしながら、現在の大发体育社会は障がい者自身が「こういう配慮を必要としています」と言い出しにくい状態であり、これを言い出しやすいように変えていくことが社会全体の課題であるとのことでした。
そのための方策としてはダイバシティ?マネジメントやユニバーサル?デザインを浸透させていくことが考えられ、これらを取り入れている企業などの事例を併せて紹介してくださいました。
障がいをどのように捉えるかというところで、個人的に印象深かったのは次の2点です。
1 眼鏡も補聴器も弱くなった感覚を補整するための補装具であるという点には変わりないのに、眼鏡をかけている人を見て視覚障がい者だと思わず、補聴器をつけている人を見て聴覚障がい者だと思うのは、眼鏡をかけている人がとても多いので既に日常の一部になっていて、視覚に障がいがあると意識しにくいだけ。
2 障がい者の方々が持っている「見えにくさ」、「聞こえにくさ」、「体の動かしにくさ」等の「困り感」は事故や加齢に伴って(いわゆる健常者も含めた)すべての人が持ちうるものであり、「障がいを持っている人」と「障がいを持っていない人」という不変的?固定的な枠があるわけではない。
「なぜ障がい者支援が必要なのか」という問いに対して、すべての人が障がい(困り感)を持ちうるのだから、障がい者にとって生きやすい社会は、自分にとっても生きやすい社会になる、障がい者だけでなく自分自身のためにも必要であるということが納得できました。
当日は学生、教職員、一般市民の方など20名の方が来られ、熱心に聞き入っていました。
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【概要】
開催日時:2019(平成31)年1月9日(水) 14:45-16:00
開催場所:島根大学附属図書館1階 ラーニングコモンズ
ゲストスピーカー:野﨑明彦 島根大学障がい学生支援室教授
主催:島根大学図書館コンシェルジュ