公開日 2018年11月20日
11月18日(日)、松江市のくにびきメッセ国際会議場において島根大学学術研究講演会を開催しました。今回は、エスチュアリー研究センターの講演会として「地球規模からみた宍道湖?中海」をテーマに、日頃の研究成果を4名の研究者が講演を行いました。学生、一般市民ほか104名の参加者がありました。
服部泰直学長の開会挨拶に続き、齋藤文紀エスチュアリー研究センター長から「比べてみよう~アジアの大河川三角州と斐伊川?宍道湖~」と題して世界のエスチュアリーやデルタと呼ばれる三角州の紹介がありました。宍道湖?中海と接する大发体育海の約40cmの潮差に対して、世界最大潮差のカナダのファンディー湾16.3mや4m以上ある有明海、また雪解け水を含め年中通じて供給される豊富な水量により形成された斐伊川三角州などのデータに基づいた説明に、参加者はメモを取りながら聞き入っていました。
次に、平成29年12月に認定された島根半島?宍道湖中海ジオパークに関連した「宍道湖?中海:What's it like? 学んで楽しむジオパーク」と題した講演が、野村律夫島根大学名誉教授からありました。自然と歴史文化が融合した地域であり、神話で語られる現象には科学的な根拠があるなど、神話と科学が同居する大地としてのジオパークにまつわる研究成果の発表に、参加者は興味深く聞き入りました。
続いて、南極地域観測隊夏隊員として南極で研究活動を行った香月興太エスチュアリー研究センター講師から「南極の海と湖~極限域を生きる生命と生命の歴史が語るもの~」と題した講演がありました。南極で撮影した多数の写真を織り交ぜたライブ感溢れる香月講師の講演に続き、最後に原口展子エスチュアリー研究センター特任助教から「宍道湖に繁茂する水草と海藻を知ろう!~対策を立てる前に大切なこと~」と題した講演がありました。近年、大きな課題として地域住民に認識されている宍道湖の水草と海藻の異常繁茂に関する講演で、その繁殖力の強さと特性、オオササエビモ、ツツイトモやシオグサの生態について詳細なデータ分析結果の紹介があり、地域で収集したデータに基づく貴重な知見をメモに取る参加者の姿が多数見られました。
質疑応答の後、秋重幸邦 学術研究?地域連携担当理事による閉会の挨拶があり、盛況のうちに講演会を終了しました。
昨年度のノーベル物理学賞受賞の梶田氏による講演会に続き、皆さまに最新の学術研究に触れていただく機会として毎年開催する島根大学学術研究講演会は、今年は本学が特色ある研究拠点として整備するエスチュアリー研究センターの講演会でした。来年度も企画しますので、ぜひご期待ください。
服部泰直学長の挨拶
講演の様子
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