公開日 2018年09月11日
9月8日(土)、松江市市民活動センターで第106回島根大学総合博物館市民講座「石見銀山の輝きの源を探る」を開催しました。この講座は、平成30年度島根大学総合博物館市民講座第1ステージ「石見学II-世界遺産?石見銀山とその周辺-」(まつえ市民大学連携講座)の最終回になります。
今回の講師は、島根県立三瓶自然館学芸員?島根大学嘱託講師の中村唯史先生につとめていただき、石見銀山の地質学的な特徴について解説していただきました。
石見銀山の鉱床は、大田市大森町の仙ノ山(標高537m)にあります。仙ノ山は、約200万~70万年前に活動した大江高山火山の一角をなす火山で、火山礫と火山灰が堆積してできています。この火山体に、銀などの鉱物成分を含んだ熱水である鉱液が、地下から吹き上がり、浸透することで銀鉱床が形成されました。
仙ノ山に形成された銀鉱床は、効率的に掘りやすく、かつ落盤の危険性が低いという、16世紀の採掘技術に適したものだったようです。さらに、銀鉱石自体も当時の製錬技術で銀が取り出しやすい鉱物組成だったようです。
このような要因が、16世紀当時、世界の1/3のシェアを占めるまでの銀生産を可能にしたのでした。
4回にわたって開催してきました、平成30年度島根大学総合博物館市民講座第1ステージ「石見学II-世界遺産?石見銀山とその周辺-」では、考古学?歴史学?地質学などの学際的な視点から世界遺産?石見銀山について学んでいただきました。
今後も様々なテーマで市民講座を企画していく予定です。ひきつづき、よろしくお願いいたします。