公開日 2018年03月12日
3月10日(土)、松江市市民活動センターにて、第101回島根大学ミュージアム市民講座「隠岐国の誕生と古墳」(まつえ市民大学連携講座)を開催しました。この講座は、平成29年度島根大学ミュージアム市民講座第2ステージ「隠岐学I~先史時代から古代までの隠岐文化を学ぶ」 の第3弾になります。
今回の講師は、内田律雄先生(島根県埋蔵文化財調査センター)で、隠岐における古墳文化の様相についてのお話でした。
まず、記紀にあるイザナギ?イザナミの国生み神話のなかに隠岐が登場すること、平城京跡をはじめとした古代の都から「隠岐国」と書かれた木簡が大量に出土していることなどの紹介がありました。古代国家の中央でも、隠岐国が一つの国として認識されていたことが分かります。
次に、弥生時代後期から古墳時代終末期までの墳丘墓?古墳の紹介がありました。
このうち、6世紀後半から7世紀にかけて造営された大座西2号墳(隠岐郡隠岐の島町下西大座)からは、帯金具という、ベルトに装着された長さ2.4cmほどの方形や楕円形の飾り金具が出土しています。こうした帯金具は、役人の地位によって大きさが決まっているようで、大座西2号墳出土の帯金具の大きさは、地方役人クラスと考えられるようです。
以上のような古墳の出土遺物の様相から、離島の隠岐においても、古墳時代以降、ヤマト王権とのつながりが出来ていき、7世紀には、古代国家の枠組みに組み込まれていったことがうかがえるとのことでした。
? 次回の講座は、シリーズ最終回、「離島?隠岐の仏教文化-隠岐国分寺を中心に-」【3/17】です。ご期待ください。