公開日 2017年12月19日
12月16日(土)、広島市まちづくり市民交流プラザにて、特別講座 in 広島 Part3「続?古代出雲文化へのいざない」(第1回)を開催しました。
講師は、来年3月開催予定の「古代出雲文化フォーラムVI」に登壇される予定の平石充先生(島根県古代文化センター専門研究員)が務められ、「『出雲国風土記』とホムチワケ伝承」と題して講演されました。
まず、奈良時代に編纂された『出雲国風土記』とはどのような書物なのか?、またこのなかに記述されている「国引き神話」とはどのような内容なのかについて解説されました。
「国引き神話」のなかには、越の国(北陸)から、土地を引っ張ってきたという記述があり、出雲と越との関係の深さを示唆しています。考古学的にも、奈良時代の神門郡古志郷にあたる出雲市西部の横穴墓と石川県珠洲市にある横穴墓との形態の類似性などがうかがえるそうで、奈良時代以前から交流があったことが推定されています。
次に、ホムチワケ伝承についての解説がありました。伝承は以下のような内容です。垂仁天皇の子とされているホムチワケは、成長しても言葉を話さないことから、「出雲の大神」の祟りであると考えられました。ホムチワケ自らが出雲に赴いたところ、肥河(斐伊川)のところで言葉を発し、その後、出雲でヒナガヒメと婚姻するが、姫がヘビだったことが分かり、都まで逃走したというものです。こうしたホムチワケ伝承に類似する内容は、『出雲国風土記』では、アヂスキタカヒコの伝承にみられるそうです。
今回は、会場が満席となる90名もの広島の皆様に受講いただくことができました。どうもありがとうございました。