公開日 2016年12月27日
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平成28年12月9日(金)、松江テルサにおいて、今年度5回目の島根大学サイエンスカフェを開催し、一般市民94名の参加がありました。
サイエンスカフェは、本学の研究内容を分かりやすく伝える場として平成17年度から年数回の頻度で開催しており、今回で69回目となりました。
今回は第1回からサイエンスカフェの世話人を務めてこられた生物資源科学部板村裕之教授が、「とっても身体にいい柿!よもやま話」と題して講演を行いました。
はじめに、果物があらゆる種類のがん予防に効果的であること、若い人ほど果物を毎日食べる人が少ない現状について説明し、健康を保つために「毎日200グラムの果物を食べましょう」と参加者に呼びかけました。その後、柿のよもやま話として、種類や渋味の特徴、西条柿、用途と機能性、柿レシピ、二日酔い防止について紹介しました。
板村教授は、柿の種類には「甘柿」と「渋柿」の大きく2種類、更にそれぞれに「完全」?「不完全」の2種類があること、柿の渋味の正体はカキタンニンのうち可溶性タンニン(ポリフェノールの類)と呼ばれる抗酸化性を持つ物質であり、これが舌のタンパク質と結合することで渋みとして感知されることなどを説明しました。
最近では様々なものと結合しやすい性質を持つカキタンニンの機能性を利用した化粧水、石鹸、消臭グッズなどの製品が出されていること、抗酸化能、血圧下降作用、血糖値の抑制、ガン細胞の成育抑制、抗ノロウイルスといった医学的な機能性も紹介しました。更に、二日酔い防止については、飲酒前30分前に西条のあんぽ柿2個(約100g)を摂取し飲酒後2時間後の呼気中の血中アルコール濃度が低く抑えられたことを解説しました。
質疑応答では参加者の質問に「柿の皮もできれば食べた方がよく、1日に2~3個食べても大丈夫。食べ過ぎると便秘になるので水溶性食物繊維の海藻と一緒に食べるなど柿の効用やカロリーなども考えてバランス良く摂取してほしい。」と答えていました。
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板村教授の講演の様子 ? |
柿の渋を実感する実験(タンニンプリント)を |
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