公開日 2016年08月16日
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平成28年7月28日(木)、松江テルサにおいて、第65回島根大学サイエンスカフェ「魚やエゴマを強化した食事で、高齢者の心やカラダを健康に」を開催し、一般市民73名が参加しました。
講師の橋本 道男 特任教授(医学部)は、魚やエゴマに含まれるEPA、DHA、α-リノレン酸などのオメガ3系脂肪酸の欠乏が心筋梗塞などの生活習慣病やうつ病?アルツハイマー病といった精神?神経性の病気の要因となることを説明し、近年我が国で高齢の認知症罹患者が急増している実態とその予防の必要性を踏まえ、島根県在住の高齢者を対象とした疫学調査とヒト介入試験や、魚消費の減少を背景に魚油摂取の代替品として着目したエゴマの機能性についての介入試験結果をわかりやすく解説しました。
疫学調査やヒト介入試験の結果では、アルツハイマー病は野菜や魚を食べない人がなりやすく、魚をよく食べる高齢者は加齢に伴う認知機能の低下が遅延すること、栄養状態のよい高齢者に12ヶ月間毎日1.7gのDHA強化ソーセージを摂取してもらったところ、血中のDHAが増え認知機能維持に有意な効果があったこと、さらには認知機能が低下した平均年齢88.5歳の超高齢者についても、MMSE評価項目の「即時想起」が改善し、やる気が亢進し、介護者負担が軽減されたこと、などを解説しました。
また、エゴマの機能性については、赤血球膜のα-リノレン酸が増加し、動脈硬化の発症と進行の予防、高血圧者への降圧作用などの可能性が示唆されたこと、さらにはα-リノレン酸が60%以上含まれるエゴマ油と七田式脳トレを組み合わせた認知症予防の検証では、被験者の前頭葉機能評価項目の「知的柔軟性」が増加し、機能向上が実証されたことを解説しました。
質疑応答で参加者からエゴマ油の使い方について質問が出されると、橋本特任教授は「エゴマ油は酸化に弱く開封後は冷蔵庫に入れて保存するといい。サラダにかけたり、ヨーグルトに混ぜたり、馴れればそのまま飲んでもよく、1日7mL(大さじ半分)を目安に、食事中又は食後に摂取するといい。」と答えていました。
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橋本 道男 特任教授の講演と会場の様子 |
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