全国遺跡報告総覧シンポジウム「文化遺産の記録をすべての人々へ!―発掘調査報告書デジタル化の方向性を探る―」を開催しました

公開日 2016年02月23日

 島根大学附属図書館は、国立文化財機構奈良文化財研究所と共催で、2月18日、同研究所の平城宮跡資料館講堂を会場に標記シンポジウムを開催しました。シンポジウムは、昨年6月に、奈良文化財研究所の全国遺跡報告総覧が公開されたことに伴って開催したものです。全国遺跡報告総覧は、これまで全国21の国立大学図書館が連携して取り組んできた遺跡の発掘調査報告書をデジタル化して公開するプロジェクトの成果を、奈良文化財研究所に引き継いで公開したもので、同研究所と島根大学附属図書館がプロジェクトを組んで、推進しているものです。現在までに、約16,000点の発掘調査報告書をデジタル化して公開しています。

 シンポジウムでは、杉江実郎島根大学附属図書館長の開会挨拶に続き、本プロジェクトからの報告、水ノ江和同文化庁文化財部記念物課文化財調査官による基調講演、菅野智則氏(東北大学埋蔵文化財調査室)、石坂憲司氏(信州大学附属図書館)、中鉢賢治氏(静岡県埋蔵文化財センター)、宮崎敬士氏(福島県教育庁文化財課南相馬市駐在)の各氏による事例報告が行われました。水ノ江調査官による基調講演では、報告書のデジタル化についての基本的な考え方が述べられ、各機関からの事例報告では、全国遺跡報告総覧に参加を検討している機関の担当者にとって具体的な示唆に富む内容の報告が行われました。続いて、小滝ちひろ朝日新聞編集委員のコーディネートにより、パネルディスカッションが行われ、最後に、プロジェクト代表である杉山洋奈良文化財研究所企画調整部長の閉会挨拶で締めくくりました。

 自治体等の文化財担当者を中心として、考古学専攻の大学教員?学生、図書館関係者など約80名の出席があり、発掘調査報告書のデジタル化と公開のプラットフォームとしての全国遺跡報告総覧に対する理解を深めるよい機会となりました。

(全国遺跡報告総覧)
http://sitereports.nabunken.go.jp/ja

 

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講演する文化庁文化財部記念物課の水ノ江和同文化財調査官

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パネルディスカッション

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