公開日 2015年08月19日
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平成27年7月21日(火)、松江テルサにおいて、第59回島根大学サイエンスカフェ「ユニバーサルデザインによるまちづくり」を開催し、一般市民28名が参加しました。講師の田中 直人 特任教授(総合理工学研究科)は、多様な人々が容易に使える建築?環境デザインを目指すユニバーサルデザインの考え方によるまちづくりについて、五感を活用した取組みや高齢者?認知症の方をサポートする取組を紹介しました。
はじめに、ユニバーサルデザインのまちづくりについて、だれもが心地よくなる生活環境を目指す点がバリアフリーとはちがう特徴的なポイントであることや、1)健常者であっても一時的に不自由な状態になる人も対象とすること、2)階段?エスカレーター?エレベーターなど利用者にその状況に応じた選択肢を持たせること、3)足で押せるエレベーターボタンなど常識を覆す使い方を考える必要があることについて解説がありました。
田中特任教授は、不自由な感覚を補うために別の感覚を街の空間構造としてつくる五感活用の取組みとして、目の不自由な方のためのバリアフリーである点字ブロックの代わりに、壁に手すりのようにラインを貼る歩行誘導の事例などを紹介しました。また、高齢者や認知症の方がもともと生活していた地域で住み続けられるように、買い物がしやすいサポートや外に出掛けて地域の人と交流ができるまちづくりの事例や、認知症高齢者の住まいの環境づくりとして部屋の前に本人の懐かしい写真を掲示したり、建物の中に庭を作ったりすることで迷い行動や徘徊行動を制御する空間づくりの事例も紹介しました。
こうしたユニバーサルデザインの実現において、田中特任教授は、「どれだけの方がどれだけ安全?快適に暮らしやすくなるのかをもっと皆で考えることが大事であり、デザイナーがいろんな方の意見を吸い上げる謙虚な姿勢が大事である。」と話しました。
質疑応答では、「コストはどのくらいか?」「IT技術を取り入れることはどうか。」などたくさんの意見があり、参加者はユニバーサルデザインについての理解を深めた様子でした。
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田中 直人 特任教授の講演と会場の様子 |