公開日 2015年08月05日
8月4日(火)、夏休み子どもミュージアム体験教室「宍道湖?中海の水底に棲む生物を観察しよう!」を開催しました。今回の講師は、宍道湖?中海の生物に詳しい島根大学研究機構汽水域研究センターの倉田健悟博士でした。
今回は、宍道湖?中海の底にどのような生物が生息しているのかを調査し、そこから水環境を考えるという内容でした。
最初に、スライドで説明を受けたあと、実際の体験実習に移りました。まず、前日に倉田先生が、宍道湖?大橋川?中海の各地点に出航し採取された泥のサンプルを、水中選別し、そこで得られた試料から、ピンセットで貝類などを取り出していきます。すると数mmから2cm程度ある大小のヤマトシジジミ?ホトトギスガイなどがたくさん見つかりました。なかには、宍道湖固有のシンジコスナウミナナフシという体長1.5cmほどの円筒形をした節足動物を発見する子供もいました。
採取した生物は、種類ごとに個体数をカウントして、資料カードに記入しました。そして、宍道湖?大橋川?中海などの各地点の塩分濃度や水深によって、そこに生息する生物の種類が異なることを理解することができました。
子どもたちは、夢中になって顕微鏡を扱いながら、生物を観察し、歓声をあげていました。大学の研究室のなかで、異なる学校や年齢の児童、その保護者の方々が、コミュニケーションをはかりながら、実習に取り組んでもらうことで、大学ミュージアムならではの博物館教育を実践することができたと思います。これをきっかけに、宍道湖?中海という身近であり、かつ貴重な汽水域環境について理解してもらい、さらに地元大学における地域に根ざした汽水域研究の取り組みについても興味関心をもっていただければ幸いです。