第79回島根大学ミュージアム市民講座「世界で最も深い谷の景観と自然史:ネパール?カリガンダキ川」を開催しました。

公開日 2015年06月29日

 6月27日(土)、第79回島根大学ミュージアム市民講座「世界で最も深い谷の景観と自然史:ネパール?カリガンダキ川」(まつえ市民大学連携講座)を開催しました。この講座は、平成27年度島根大学ミュージアム市民講座第1ステージ「山と川をめぐる自然史と文化史」の第2弾です。
 今回の講師は、酒井哲弥先生(島根大学総合理工学研究科准教授?島根大学ミュージアム兼任研究員)でした。先生は、これまでフィールドワークのために、たびたびネパールへ行かれています。講座では、ネパール西部を流れるカリガンダキ川やヒマラヤ山脈について解説されました。

 ヒマラヤ山脈は、今から約5500万年前頃、北上するインド大陸がユーラシア大陸と衝突して形成が始まりました。したがって、ヒマラヤ山脈でみられる岩石は、もともと海の堆積物やインド大陸にあったものになります。

 このヒマラヤ山脈を横切って流れるのが、カリガンダキ川です。標高8000m級を測る山々の中を刻む標高2700~1000mの谷を流れており、「世界で最も深い谷」と言われています。

 また、カリガンダキ川流域には、300mもの厚さを測る堆積物の平坦地形がみられます。これは、巨大地震による湖の決壊に伴って堆積した可能性があるようです。
 講座では、雄大で美しいカリガンダキ川の景観やネパール?カトマンズの町並みなどの写真が映し出され、聴講者は興味深く見入っていました。また、流域で産出する貝の化石にさわることも出来ました。

 次回は、7/4(土)、「『出雲国風土記』にみる山の信仰」です。引き続きよろしくお願い致します。

講座の様子

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