公開日 2014年11月17日
平成26年10月29日(水),松江テルサにおいて第56回島根大学サイエンスカフェ「西条柿の魅力に迫る~葉も規格外果実も有効利用」を開催し,一般市民75名が参加しました。講師の鶴永 陽子 准教授(教育学部)は,食品加工に有用な未利用資源である西条柿の葉と規格外の果実を話題に,含有量の高いビタミンC,ポリフェノール等の成分を逃さない柿の葉茶の加工方法と鶴永准教授が行う柿の果実を使った食品開発について紹介しました。
柿の葉には緑茶の10倍のビタミンCやポリフェノールが豊富に含まれています。しかし,いくら有用な成分を多く含む原材料を用いても,加工方法を誤れば,健康茶としてせっかくの有用成分を損なうことになります。鶴永准教授は,「素材の持つ成分を上手に残させることがとても重要。」と強調し,柿の葉茶を作る大切なポイントとして,1. 葉が成長する7月に収穫すること,2. 原料を採取したらすぐに加工すること,3. 乾燥させる前に「蒸し」処理を行い,ビタミンC,ポリフェノールを酸化分解する酵素を失活させることなどを挙げました。
また,軟化が早く2~3割が規格外となる西条柿の果実もビタミンCやポリフェノール等に富んだ有用素材であること,自身が開発し特許取得した柿のタンニンとたんぱく質を結合させて渋みを感じなくさせる方法や柿渋ペーストを使ったうどんの開発について紹介しました。鶴永准教授は,「柿の渋を添加することで食品の色?食感を変えることができ,消費者ニーズにマッチした加工品の開発が可能になる。」と述べ,スポンジケーキ,豆腐,かまぼこなど今後の新たな食品開発の可能性についても示唆しました。
休憩時間には,柿の葉茶の試飲もありました。参加者は身近な柿が機能性のとても高い素材であるというお話に興味津々な様子で聞き入っていました。
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鶴永准教授の講演と会場の様子