公開日 2014年06月24日
平成26年5月31日(土)に、生物資源科学部1号館101講義室において、2014年度「地域再生システム特論」の第3回~第6回の講義を開催しました。本講義は、大学院生物資源科学研究科の講義であるとともに、大学開放事業として公開授業の形式で実施いたしました。
当日は、島根大学教育学部の作野広和教授が「中山間地域論」と題して、講義を行いました。67名の受講者があり、過疎?人口減の問題について、島根県を例に自身の実地体験も語りながら講義が行われました。津和野町の小学校統廃合問題を例に、過疎について語られたゲストコメンテーターの京村まゆみ氏(NPO法人さぶみの代表/津和野町議会議員)から左鐙(さぶみ)小学校の活動報告があり、自然の中で元気に育ち、勉強もしっかりする子供たちが紹介されました。自然の遊び道具を使うので、体力もあり、その説明をする必要からか皆よくしゃべり、コミュニケーション能力も高いこと、表情が明るいことが印象的でした。都会からの入学希望者もあり、来春は6名の生徒数になることが報告されました。
中山間地域論は、集落の人口減少はそのまま見過ごすのではなく、やがて消滅するにしても、質を高め、そしてやがて看取るという過程の大切さを学びました。「人数を増やさなければならない」ではなく、「少ない人数の中で、活性化し幸せに生きる術を得る」ことが大切とのことでした。
作野教授の講義「中山間地域論」
続いて、株式会社バイタルリードの森山昌幸代表取締役が「交通政策論」と題して、講義を行いました。森山氏は、出雲大社の神門通りを現在のような、しゃれた賑わいのある通りにした方です。道路をヨーロッパのシェアド?スペース(共有空間)を模して、道幅はそのままで、思い切って歩行空間3.5m(両側)、車道5.0mのオープンスペースにされ、事故は0だそうです。住民、お店、行政と何十回も意見調整?ワークショップをされ、合意形成をされた手法は大変参考になりました。また、観光客へのアンケート調査も、アンケートを書くステーションを設け、抽選で何かが当たる「ガラガラポン」を置いて書いてもらうと、沢山のアンケートが集まり、また、その中のお店などのインフォメーションを読んでもらい、足を運んでもらえるなどのメリットがあることがわかりました。とてもよいアイディアだと感心しました。
株式会社バイタルリードの森山昌幸代表取締役
当日のプログラム詳細は関連記事(生物資源科学部HP)をご参照ください。
講義概要と今後のスケジュールは、パンフレットをご覧ください。