公開日 2014年02月14日
? 「教育学部アカデミックカフェ」を1月22日(水)に開催しました。このアカデミックカフェは、教員の研究?教育に対するさらなる意欲向上のため、半年に1回程度、有志教員により最近の研究のトピックス的な内容をディスカッションを含めて1回30分程度発表する発表会として実施しているものです。
第4回目となる今回は、初等教育開発講座の加藤寿朗教授から『子どもの社会認識形成の「論理」と「心理」-社会認識発達の調査を通して-』と題した研究発表が行われました。
? 加藤教授はまず、社会科授業構成の課題について、子どもの社会認識形成の「論理」(子どもに社会を認識させるためには、社会の何をどのようにわからせるべきか)と「心理」(子どもは社会をどのようにわかっているのか、わかっていくのか)の2側面のうち、従来「論理」面に比重が置かれていたことを指摘された。これに対して、加藤教授は「心理」面に着目し、子どもが社会をどのように認識するのかを児童?生徒を対象とする調査を通して考察され、その結果、「社会的事物?事象に関する知識を量的に増加させる段階から、断片的な情報相互のネットワーク化を図る段階へ、そして、ある視点を中核としながら情報を統合する段階へと発達する」時期として、小学4年生?5年生頃が重要であることを示された。また、中学2年生?3年生の時期にも、事象をさらに抽象化して捉える能力が発達し、批判的思考力が育っていくという見通しを示されました。
出席者からは、自然科学や道徳など他分野でも子どもの認識能力の変化について同様の傾向が見られるとの意見が出され、加藤教授の研究を比較の視点から吟味することへの関心が見てとれました。加藤教授の発表は、多様な専門分野にとって示唆に富んだものとなりました。
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講演の様子
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加藤教授
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