公開日 2013年08月09日
平成25年7月1日(月),くにびきメッセにおいて第48回島根大学サイエンスカフェ「ラーメンが食べられない!~食物アレルギーの不思議に挑む~」を開催し,一般市民ら64名の参加がありました。講師の森田 栄伸 教授(医学部皮膚科学講座)は,アレルギーが起きるしくみをわかりやすく解説し,主に小麦粉を原因とする食物アレルギーの症例を紹介しました。
アレルギーを起こす根元は、IgE抗体とヒスタミンと呼ばれる物質です。IgE抗体は体に異物が侵入してきた際の免疫反応でできる異常な抗体であり、森田教授はこの抗体ができると皮膚の肥満細胞からヒスタミンという物質が出されて、じんましん等のアレルギー症状を引き起こすことを解説しました。また、森田教授自身の研究で小麦粉成分のグルテン蛋白質の一部がアレルギーの原因であることを突き止めたこと、独自のアレルギー検査キットを開発して従来のアレルギー検査方法より検査結果の正確性が向上した症例についても話しました。
食物アレルギーの症例では、パン、ラーメンなどの摂取だけでなく食後の痛み止めや運動によるアレルギーの増悪、小麦粉を使った石けんによるアレルギー、ダニを介した牛肉アレルギー等について紹介しました。食後の運動によるアレルギーの症例では、消化不良によってアレルギーとなる蛋白質が体に入ることが原因であることを解説し、ゆっくり噛んで落ち着いて食べるよう参加者に促しました。
森田教授のユーモアを交えたお話で会場は和やかな雰囲気でした。参加者からは、食物アレルギーという身近な話題でとても参考になったという感想を多くいただきました。
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食物アレルギーについて講演する森田 栄伸 教授
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