第34回サイエンスカフェを開催しました

公開日 2010年12月20日

平成22年11月17日(水)、第34回島根大学サイエンスカフェ「未来をひらく植物の科学―有用な植物をつくるための遺伝子研究を例に―」を松江テルサで開催し、一般市民18名が参加しました。

講師の中川強教授(総合科学研究支援センター)は、遺伝子研究によって効率化した生産性と品質の高いより有用な農作物の栽培方法や生物の細胞中の染色体(遺伝子の固まり)の構造、ある生物に新しい遺伝子を追加する「遺伝子組換え」を利用した植物栽培について時間いっぱい丁寧に解説しました。

キャベツやカリフラワー、お酒に強い人?弱い人など、生物の性質はそれがもつ遺伝子のわずかな違いによって大きく変わります。中川教授は、「遺伝子をうまく利用すれば生物の性質を有用なものに変えることができる。」と述べ、植物の育種の際、違う性質の植物とのかけあわせを行う方法に比べ、有用な遺伝子を直接植物に追加する遺伝子導入では、必要な性質を確実に追加できることや他の生物の遺伝子も利用することができるなど、遺伝子研究による育種の効率化について解説しました。また、遺伝子組換え植物の栽培の事例として、植物への遺伝子導入能力を持つ土壌細菌の一種アグロバクテリウムの感染を利用した、自然にはできない青いバラの栽培方法について紹介しました。最後に,蛍光タンパク質を用いた植物観察にも触れ,植物細胞の葉緑体が光を受けて移動する様子等を動画で紹介し,その様子に参加者は興味深く見入っていました。

参加者からは遺伝子の仕組みについてよくわかった,自然にはない遺伝子組み換え植物をつくるのは自然の倫理としてどうか,など様々な意見が出ていました。

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講演の様子