公開日 2010年10月20日
平成22年9月22日(水)、松江テルサにおいて第32回島根大学サイエンスカフェ「限界集落の今?『幸せ』の尺度を求めて?」を教育学部の作野広和准教授を講師に開催しました。今回は、中山間地域における集落の機能や限界集落の実態、深刻な過疎と高齢化が進む江津市松平地区に設置された作野准教授の研究分室「松平ラボ」での地域づくりが話題となり、一般市民など参加者43名が熱心に耳を傾けました。 作野准教授は、限界集落について、「数値的には65歳以上の高齢者人口が50%を超える集落で、質的にはあらゆる合意形成を行う集落の漏斗機能、共同体機能が限界化し、やがては消滅に向かう集落である」と説明し、こうした過疎化が進む集落は人口を正確に把握する統計が存在しないため、高齢化率といった数値データのみで集落の現状を把握することは危ういと指摘しました。 また、松平ラボでの調査では、限界集落であっても松平地区の住民は生きがいを持って幸せに暮らしているという現状に触れ、地域づくりの取組みとして住民が安心して幸せに今の暮らしを続けられるように、都市や出身者がたすけあって支援していくことが大切であると述べました。 最後の質疑応答では、「高齢化が進み自治体が減少している。住民に元気をつけるにはどうしたらいいか」という参加者の声に、作野准教授は「健康や美味しいものなど、お金だけではない地域共有の価値観をもつこと、個人の目に見えない元気さをきちんと評価し自己実現を果たしてあげることが大切である」と答えていました。 |
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