公開日 2010年09月14日
平成22年8月26日(木)、「法医学的個人識別でどこまで何ができる?-大規模災害や足利事件をもとにー」を、医学部法医学講座の竹下治男教授を講師にビッグハート出雲で開催しました。 今回は、大規模災害や事件発生時の死体の身元確認や、親子鑑定のために行われる血液型による個人識別とDNA鑑定を題材に、その方法と手順、DNA鑑定の持つ問題点について解説?質疑応答を行いました。 DNA鑑定について、竹下教授は検査試料から外観検査、血痕予備検査、人獣鑑別などの検査を経た後、DNAの塩基配列をあらゆる方法で分析し、データーベースと照合させて個人を特定できることを説明しました。その一方で、得られた検体によっては最終段階で残る血痕が非常に微量になる、途中でDNAの突然変異や腐敗が進んで正しい分析ができなくなるなどDNA鑑定の問題点についても触れ、「同じ分析結果でも、鑑定者がどうとらえるかによって鑑定結果が異なることもある。DNA鑑定結果のみに頼るのではなく、身体的特徴など他の様々な要素と組み合わせながら個人識別を行う必要がある。」と述べました。 質疑応答では、DNA鑑定の信頼性のほか一般的な病気診断について参加者から質問が出され、それらに竹下教授と司会の大谷浩医学部教授が一緒に答える場面もありました。普段なかなか聞くことのできないお話に参加者は興味津々な様子で楽しそうに聞き入っていました。 |
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