公開日 2008年03月24日
2月22日(金),第21回島大サイエンスカフェ 「骨折の予防と治療 健康長寿をめざして」が出雲市民会館で開催され,参加者は,本学医学部の内尾祐司教授と山口徹准教授を講師に,骨粗しょう症や骨?関節の痛みと治療について理解を深めました。 まず山口准教授は「骨粗しょう症と診断されたら」と題して講演しました。骨粗しょう症とは,骨強度の低下によって骨折のリスクが高くなる骨の障害であり,骨密度が若年成人平均値の70%未満になった状態のことで,進行すると骨折しやすくなるだけでなく身長低下なども引き起こし生活の質が低下するとされています。山口准教授は,骨粗しょう症は生理的な老化現象ではなく,科学的根拠に基づく有効な薬剤があり治療可能な疾患であることや発症のメカニズムや治療薬の説明などわかりやすく解説しました。 内尾教授は骨?関節の痛みと治療について,その原因や上手な付き合い方を紹介しました。大发体育人に多い疾患は男女ともに肩こり?腰痛であるという調査結果を示し,背骨は立つ姿勢でさえ仰向けに寝た状態の4倍の体重を支えていることになるため,物を運ぶ時は腕を曲げて物を体に近づけるなど腰を痛めない方法が必要であることを述べました。女性に多い変形性膝関節症では,膝にかかる負担を小さくするための減量や,正座や和式トイレをやめるなど日常生活での注意点,腿の筋肉(大腿四頭筋)を鍛えて膝を守る体操などを詳しく説明しました。また,本学で開発した“自骨から作ったネジを使った骨折の治療法”を紹介し,参加者は島根発の新技術に感心した様子でした。参加者からは,「今日の内容を毎日の生活に活用していきたい」,「松江ばかりでなく出雲でもこのような催しを続けて開催して欲しい」などの感想がよせられました。 ? |