島根大学お宝研究vol.14
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?プロジェクトリーダー …山本 達之 Tatsuyuki Yamamoto(学術研究院農生命科学系?生物資源学部担当?教授)?研究代表者 …………………片岡 祐介 Yusuke Kataoka(学術研究院環境システム科学系?総合理工学部担当?助教)?研究メンバー ………………矢野なつみ Natsumi Yano(学術研究院理工学系?総合理工学部担当?助教)記のロジウム二核錯体を電極表面に薄く積層した高感度クロミズム材料の開発を目指します。The chromic materials, which show chromic behaviors by respence to the external stimuli or environment, are attracted much attention from not only acadimic but also industry. In this study, we confirmed that our developed dirhodium complexes show apperent chromic behaviors by the response to (i) mechanical-stimuli and (ii) volatile organic vapors (VOCs). Moreover, it is capable that the structural durabilities of dirhodium complexes before and after chromic phenomena are easily confiremd by Raman spectroscopy measurements.1微細刺激や揮発性有機化合物に応答して色彩が変化するロジウム二核錯体に関するラマン分光法研究Raman spectroscopy study on the mechanochromism and vapochromism of dirhodium complexes研究者紹介概 要外的刺激や環境に応答して色彩が変化するクロミズム材料は,学術的基礎研究から産業的応用研究に至るまで幅広く興味が持たれています。本研究では,私達がこれまでに開発してきたロジウム二核錯体が,「(i)機械刺激」と「(ii)揮発性有機溶媒」に対して顕著なクロミズム現象を示すことを発見しました。さらには,ラマンスペクトル測定を使用することによって,クロミズム現象の前後のロジウム二核錯体の構造安定性を容易に確認することが可能となりました。特色?研究成果?今後の展望熱,光,電気,刺激,蒸気に応答して色彩が顕著に変化するクロミズム材料は,スマート社会(Society 5.0)を実現する際に重要となる様々なデバイスの素子としての利用に期待が持たれています。この背景に対し私達は,島根大学でこれまでに開発してきたロジウム二核錯体の構造を僅かに制御することで,「(i)機械刺激」や「(ii)揮発性有機溶媒」に応答して顕著なクロミズム現象を発現させることに成功しました。例えば,アミノ安息香酸ロジウム二核錯体は,微弱にひっかく程度の力で色彩が緑色から紫色へと変化します(図参照)。また,ヘキサン酸ロジウム二核錯体は,人体に有害なピリジン蒸気に応答して色が緑色から赤色へと変化しました。クロミズム材料は,「繰り返し使用できるか」が優れた材料であるかの重要な指標となります。従来の金属錯体のクロミズム現象耐久試験には,粉末X線回折(測定時間:30分程度)が利用されていましたが,私達は,ラマンスペクトル測定を応用することによって,僅か4秒で構造安定性を確認することに成功しました。これにより,クロミズム現象を示すロジウム二核錯体の研究がよりハイスループットに実施可能となりました。社会的実装への展望本研究で開発したロジウム二核錯体は,記録デバイス,化学センサー,分子スイッチへの応用が期待されます。今後は,上医療診断応用研究を中心に据えたラマン分光法の医理工農連携研究The collaborated study with medical, scientific, engineering and agricultural fields aiming for the development of new diagnostic techniques by Raman spectroscopy

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