島根大学お宝研究vol.14
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?プロジェクトリーダー …鶴永 陽子 Yoko Tsurunaga(学術研究院人間科学系?人間科学部担当?教授)髙橋 哲也 Tetsuya Takahashi(学術研究院人間科学系?人間科学部担当?教授)?腸菌を19時間培養した培地の様?(左:対照区右:クリ(果?))×102×103大腸菌を19時間培養した培地の様子(左:対照区 右:クリ(果皮))×105×102×104×103×105×104とによりヘルスケア分野等への応用が期待できます。11黄色ブドウ球菌を20時間培養した培地の様子(左:対照区 右:クリ(果皮))試作したクリ(果皮)の配合紙(左から配合60%,40%,20%)地域未利用植物の抗菌性評価Evaluation of antimicrobial properties of local unused plant研究者紹介概 要植物に含まれるタンニンは,抗菌性を示すことが知られています。そして,島根県内に自生している植物には,タンニンを多く含むものがいくつかありますが,その多くは未利用資源となっています。そこで,本研究では,そうした未利用資源の中から,タンニン含量の高いものを調査し,それらの抗菌性を明らかにすることで,優れた抗菌素材を見出すことを試みました。Tannins in plants are known to have antibacterial properties. Although some plants native to Shimane Prefecture have been identified as having a high tannin content, many of them are unused resources. In this study, we investigated the high tannin content of these unused resources and tried to find excellent antibacterial materials by clarifying their antimicrobial properties.特色?研究成果?今後の展望本研究では,食中毒菌の一種である黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC 12732)と大腸菌(Escherichia coli NBRC 3301)を用いて県内の未利用植物の抗菌性評価を行いました。黄色ブドウ球菌では,クリ(果皮),ケヤキ(葉),イチョウ(葉),ヤマモモ(葉),カキ(ヘタ)などに高い抗菌性が認められました。一方,大腸菌を用いた場合は,クリ(果皮),カキ(ヘタ)などに高い抗菌性が認められました。次に,ヘルスケア分野への応用として,配合紙の創製を試み,その製造方法について企業との共同研究により最適条件を明らかにしました。さらに,創製した配合紙の抗菌性を評価したところ,原料の抗菌性を保持できていることもわかりました。今後,さらに多くの未利用資源の抗菌性を検討するとともに,機能性評価の項目を増やし,応用範囲を広げたいと考えています。社会的実装への展望タンニンは,抗酸化性,抗菌性,抗ウイルス性,消臭性などの多くの機能性を有することから,今後,それらを解析するこタンニンの化学結合性を利用した未利用資源の有効活用Effective utilization of the unused resource using chemical bonding of tannin

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