島根大学お宝研究Vol.13
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Restricted-dietmenu(sugar,salt,potassium,water,etc.)forpatientswithdiseases(diabetes,heartdisease,kidneydiseaseetc.)hasalimitedrepertoireandnutritionalmanagementinhomecareisextremelydifficult.ThedevelopedsystemusingICTandQRcodeallowsusersathometomanagevariousheattreatedfrozenfoods,andproposeanidealmenueverydaybyusingpresentstockfoodaccordingtotheclinicalcondition.Thissystemprovidesalargenumberofnutritionallybalanceddisheseasilybythawingandassortment.Specialmenusforfoodallergyarealsoavailable.Inaddition,itcanbeadaptedtogeneraldiets,andbusinessdevelopmentutilizingspecialproductsintheSan-inregionisexpected.本システムは,解凍?盛り合わせにより,栄養バランス料理を簡便に多数提供します。食物アレルギー対応の献立も可能です。また,制限食を超えて一般食にも適応でき,山陰地方の特産物を活用した事業展開が期待されます。ICTを活用して様々な制限食を提供する献立管理システム ?プロジェクトリーダー 縄手 雅彦MasahikoNawate(学術研究院理工学系?総合理工学部担当?教授)?研究代表者 中村 守彦MorihikoNakamura(学術研究院医学?看護学系?地域未来協創本部担当?教授)2研究者紹介概 要疾病患者(糖尿病,心臓病,腎臓病など)の制限食(糖分,塩分,カリウム,水分など)の献立はレパートリーが限られており,在宅での栄養管理は極めて困難です。開発したシステムはICTを活用して,焼く?煮る?蒸すなど予め加熱処理した異なる食材バック(主として冷凍保存)をQRコードにより自宅管理して,現在ある在庫食材で病態に合った理想献立を日々提案します。特色?研究成果?今後の展望塩分制限など食事制限を受ける患者さんの在宅栄養管理は難しく,全国共通の悩みです。その中で,塩分制限を受ける高血圧患者(140/90mmHg以上)またはその予備軍は本邦で4,000万人以上との報告(2018厚生労働省)があり,4人にひとりが該当する今や国民病だと言っても過言ではありません。そこで,365日,誰でも簡単に減塩献立?調理ができ安心な食生活を送ることのできる新技術を考案し,その知的財産を島根大学が特許申請(特願2016-106664)しました。本技術では,味を一切付けない加熱調理済みの冷凍食材と,レトルトソースおよび日々の献立と栄養管理を可能にする自動レシピアプリを利用します。様々な冷凍食材を組み合わせて,多様な減塩ソースを使用すれば,理論上,無限のレシピが誕生します。糖質(糖尿病)およびカリウム(腎臓病)の制限やアレルゲンフリーの献立も提供します。さらに,一般食にも応用でき,安全なダイエットも期待できます。そして,本プロジェクトが並行して進める運動アプリ開発(特願2016-096633)とのリンクを目指します。産学官連携で展開するこの食革命は,医学,農学,地域包括ケア,ICTなど様々な分野が融合した研究で,地方国立大学ならではの強みです。社会的実装への展望特に減塩食を対象にした無限レシピシステム開発を産学官連携で進めており,冷凍食品関連の地元中核企業と共同で令和元年中の社会実装(上市)を目指しています。続いて,減糖などの制限食開発に着手し,山陰の特産物を活用した地方創生につながる事業展開を計画しています。食の概念を変え食事制限の悩みを一発解決する無限レシピシステムThe automatic recipe system to change a dietary concept and provide restricted diets山陰地方における医療?福祉?教育への情報技術の実践的な活用Practical application of ICT for medical care, welfare and education
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