島根大学お宝研究Vol.13
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Analysis of correlation between single nucleotide polymorphisms (SNPs) within Deoxyribonuclease (DNase) family genes and rheumatic diseasesDeoxyribonucleaseshavebeenfocusedontheroleofriskfactorsforvariousdiseases.DNaseI,DNaseI-like1,DNaseI-like2,DNaseI-like3,andDNaseIIbelongtotheDNasefamily.InordertoestablishthefoundationofgeneticbiochemistryandpathologyofDNasesasriskfactors,ourresearchgrouphasperformedpopulationstudyofSNPswithintheDNasefamilygenes.Wealsohaveanalyzedfunctionaleffectsofaminoacidsubstitutionsfromnon-synonymousSNPs.40研究者紹介木村 かおりKaoriKimura-Kataoka(学術研究院医学?看護学系医学部担当?講師(学内))概 要DNA分解に関与するDNasefamilyは様々な疾患の危険因子として注目されており,DNaseI,DNaseI-like1,DNaseI-like2,DNaseI-like3,DNaseII等が含まれます。我々の研究グループでは,DNasefamilyの危険因子としての病態遺伝生化学的な基盤を確立するために,DNasefamily遺伝子内に存在する一塩基多型(SNP)に関する集団調査や,中でも非同義置換型SNPに伴うアミノ酸置換の機能への影響(遺伝型―機能相関)の解析を行いました。特色?研究成果?今後の展望DNAはA,G,C,Tの塩基によって構成されており,これらの塩基の違い(一塩基多型)が様々な疾患と関連していることが報告されています。我々は,様々な疾患の危険因子として注目されているDNasefamilyには分子論的多様性や民族間差異が認められることを報告してきました。DNaseI,DNaseI-like1,DNaseI-like2,DNaseI-like3,及びDNaseII上の全非同義置換型SNPs(一塩基多型によってアミノ酸が置換されるもの)64,21,63,40および31ヵ所について,それぞれ21,6,51,13および21ヵ所で酵素活性の低下?消失することを解明しました。また,アミノ酸置換による酵素活性への影響を予測することができるPolyPhen-2を用いて調査したところ,これらの酵素活性低下?消失がみられたほとんどの座位で“damaging”と判定され,酵素活性への影響が高い精度で予測されました。したがって,遺伝的多様性は極めて乏しいものの,これらSNPsは自己免疫疾患等の遺伝的危険因子になるものと考えられます。社会的実装への展望本研究に端を発して,今後は法医学?人類遺伝学から各種疾患解明へのさらなる展開?応用が期待できます。DNA分解酵素(DNase)family遺伝子の一塩基多型(SNP)とリウマチ性疾患の相関解明

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