島根大学お宝研究Vol.13
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態解明,さらに治療薬への展開が期待できます。MorbidityforthepancreaticcarcinomainShimanePrefectureisonahighlevelinJapan.Itisahighlylethalcancer;mortalityforthediseaseisalsohigh.Morethan90%ofpatientsdiewithin5yearsoftheirdiagnosisand75%ofpatientsdiewithinthefirstyear.ThemortalityrateinShimaneprefectureisabovethenationalaverage.Sinceitisadiseasewhoseprognosisisextremelypoorcomparedwithothercancers,developmentofnoveltreatmentmethodsisdesired.ShimaneUniversityHospitalistakingaleadingpartinmultidisciplinary,fundamental/clinicalresearcherswiththeaimoferadicatingthepancreaticcancer.開発した抗体は患者さんの膵がん組織を特異的に認識し,さらに予後診断にも利用できます?センター長 浦野 健TakeshiUrano(学術研究院医学?看護学系?医学部担当?教授)?副センター長 松崎 有未YumiMatsuzaki(学術研究院医学?看護学系?医学部担当?教授)原田 守MamoruHarada(学術研究院医学?看護学系?医学部担当?教授) 田島 義証YoshitsuguTajima(学術研究院医学?看護学系?医学部担当?教授) 丸山理留敬RirukeMaruyama(学術研究院医学?看護学系?医学部担当?教授) 本間 良夫YoshioHonma(学術研究院医学?看護学系?医学部担当?特任教授) 粕壁 隆TakashiKasukabe(学術研究院医学?看護学系?医学部担当?特任教授) 鈴宮 淳司JunjiSuzumiya(学術研究院医学?看護学系?医学部附属病院担当?教授) 森山 一郎IchiroMoriyama(学術研究院医学?看護学系?医学部附属病院担当?助教)“SUIGANN” Project Center28研究者紹介概 要島根県における人口十万人あたりの膵がん患者の数は全国でも上位にあります。膵がんは発見からの5年生存率が7%で,他のがんと比べると患者の予後が極めて悪いため,画期的な新しい治療法の開発が待ち望まれています。膵がんの撲滅を目指し,島根大学医学部?附属病院を中心に,基礎研究および臨床研究を集学的に推進し膵がんに対する新しい治療法や早期診断法を開発しています。特色?研究成果?今後の展望膵がんは早期の自覚症状が少なく,また膵臓自体手術が困難な部位にあること,再発のリスクが高いことなどから,難治性がんとして知られています。そこで新たなアプローチとして,抗体を利用したバイオ医薬品の研究開発を行っています。人体には,病原体などの異物を認識し,攻撃したり攻撃の目印になる抗体を作り出す,B細胞というリンパ球の一種があります。膵がんを感知し,認識する特異性の高い抗体を開発研究しています。その抗体が正常細胞は攻撃せず直接がん細胞を攻撃,あるいは抗体に抗腫瘍剤(抗がん剤)を運ばせることによって,内科的に膵がんを治療したいと考えています。開発した抗体は,下図のように,患者さんの膵がん細胞を特異的に認識し,さらに抗体が認識する標的分子の強度により患者さんの予後が判断できることを確認しています(図中?右)。現在,細胞レベルおよび実験動物での抗体を用いた治療効果を検討しています。社会的実装への展望本研究により開発される抗体は医学における最先端の研究に役立つばかりではなく,医療現場においてがんの早期診断や病膵がんを標的とする新たなバイオ医薬品?免疫療法の開発Monoclonal antibody drug preparation against pancreatic cancer膵がん撲滅プロジェクトセンター
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