島根大学お宝研究Vol.13
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Recently,bothuniversityandhighschoolarerequestedtomaketheirmethodofinstructioninteractive,suchasProject-basedLearning.Inordertomakeeachlearneractive,itisveryimportanttotakediversityoflearners’backgroundintoaccount.Wehave,therefore,engagedinmodellingthepatternsoflearningbasedontheresultofourLearningAnalysis,advancedataclassofhistoryingeneraleducationcourseofShimaneUniversity,andinputtingsuchmodelsintopracticeincollaborationwithhighschoolsinShimanePrefecture.教育実践の面では,島根大学の教養育成科目「大学で学ぶ世界史」と県立隠岐島前高校の学校設定科目「グローカル?ヒストリー」の2科目協働による授業づくりを始めています。また2019年3月には公開シンポジウム「歴史総合へのキックオフ:課題探究型授業づくりの高大協働」を開催し,大学教員,中高で歴史を担当されている先生方,教員志望学生の参加を多数得て,県内外において協働関係を広げる第一歩を記しました。今後は,両者をさらにしっかり結びつけ,中身の濃い高大接続モデルを提起していくことを目指します。公開シンポジウムの様子(2019年3月)?プロジェクトリーダー 丸橋 充拓MitsuhiroMaruhashi(学術研究院人文社会科学系?法文学部担当?教授) 鹿住 大助DaisukeKazumi(学術研究院教育研究推進学系?大学教育センター担当?准教授) 中村 怜詞SatoshiNakamura(学術研究院教育学系?教職大学院担当?准教授) 大日方克己KatsumiObinata(学術研究院人文社会科学系?法文学部担当?教授)9研究者紹介概 要近年,大学でも高校でも,課題探究型学習のような双方向型の教育方法が求められていますが,学習者の主体性を喚起する上で重要なのは,学習者の多様性に寄り添うことです。本プロジェクトでは,島大教養課程の歴史学の授業において実施した「学習分析」の結果に基づき,学習者の「学びのパターン」のモデル化を進めています。さらにそのモデルを,高大協働のもとで教育実践に活用する試みも始めています。特色?研究成果?今後の展望本プロジェクトの特徴は「歴史学習論の研究」の成果を「歴史教育の実践」に活用していく点にあります。2018年度に行った学習分析の調査からは,多分野の学生が履修する教養科目における「受講生の学びの多様さ」がうかがえるとともに,さらに「担当教員が学んでほしかったこと」と「受講生が実際に学んだこと」のギャップのなかに,新たな「学びの可能性」が芽生えていることも見えてきました。学習分析を今後さらに深めていけば,学習者個々人に寄り添った歴史教育の構想に近づけると考えています。社会的実装への展望「課題探究型学習」と「高大接続」は,いずれも現場レベル,政策レベル双方で喫緊の課題とされながら,その中身はまだ模索段階にあります。幸い歴史学分野は学界を挙げて,この課題に数年前から取り組み始めてきました。そうした蓄積に本プロジェクトの研究成果?教育実践を上積みすることで,われわれは,島根県の高大接続と課題探究型学習の実質化に力を尽くせると考えています。学習分析に基づく課題探究型歴史教育の高大協働A Study of Problem Based Learning in Education of History under the Collaboration between High School and University:Based on the Result of Learning Analysis 教養教育における歴史学習モデルの構築と授業実践を通じた評価:歴史学習の高大接続に向けてDevelopment of a Historical Learning Model and Assessment in Classroom Practice in General Education: Experimental Approach for High School/University Articulation of Historical Learning
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