お宝研究Vol12
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デイサイトー安山岩質火山礫凝灰岩(ダメージなし)デイサイトー安山岩質火山礫凝灰岩(弱ダメージ)凝灰質泥岩ガウジ帯デイサイトー安山岩質火山礫凝灰岩(弱ダメージ)デイサイトー安山岩質火山礫凝灰岩(ガウジ帯)デイサイトー安山岩質火山礫凝灰岩(弱ダメージ)流紋岩ダメージ帯流紋岩(黒色)ダメージ帯シート状泥岩を取り込む35m汪 発武(学術研究院環境システム科学系総合理工学部担当?教授)亀井 淳志(学術研究院環境システム科学系総合理工学部担当?教授)田坂 郁夫(法文学部?教授)[~平成29年度]林 広樹(学術研究院環境システム科学系総合理工学部担当?准教授)向吉 秀樹(学術研究院環境システム科学系総合理工学部担当?助教)Fawu Wang (Professor, Academic Assembly Institute of Environmental Systems Science) Atsushi Kamei (Professor, Academic Assembly Institute of Environmental Systems Science)Ikuo Tasaka (Professor, Faculty of Law and Literature) [until2018.3.31]Hiroki Hayashi (Assistant Professor, Academic Assembly Institute of Environmental Systems Science) Hideki Mukoyoshi (Assistant Professor, Academic Assembly Institute of Environmental Systems プロジェクトリーダー:研究者紹介研究代表者:Project Leader : 概 要特 色研究成果今後の展望社会実装への展望Leader : Kinematic history of the Shinji Fault, inferred from detailed structural analysis of a fracture zone 本重点研究プロジェクトでは,山陰地域の各種地質体の特徴?成因から自然災害に至る因果関係を解明し,沈み込み帯特有の自然災害を理解した上で,災害の予測?軽減技術を開発する研究を行っています。本プロジェクトの1研究テーマとして,山陰地域に発達する断層の運動像及び発達過程の解明があります。この研究では,山陰地域に発達する断層の断層露頭を特定し,断層破砕帯に認められる構造の解析から,断層が過去にどのような運動をし,今後どのように動くと予測されるのかについて調べています。 In this project, research on elucidation of geologic feature which will be a factor of natural disaster, to develop a technology related to disaster prediction and migration, has proceeded. One of the research subject of this project is elucidation of slip style and development process of faults exposed on the San'in region. In this study, we are investigating development process and future activity of faults based on the structural analysis of fracture zones. 島根県内で認定されている主要活断層の1つである宍道断層は,先行研究によって,逆断層として形成された断層が,後に右横ずれ運動するようになった断層であると考えられてきました。ただし,これらの運動像は,島根半島の地層に形成されている褶曲などの地質構造や,谷筋の屈曲などの地形的特徴から想定されたものであり,断層を直接調査して評価されたものではありませんでした。本研究では,地質調査に基づく調査により,宍道断層の断層露頭を特定しました。そして,断層破砕帯を直接観察し,破砕帯中に記録されている変形構造の解析を行いました。その結果,同破砕帯の南端部に認められる固結した古い破砕帯では逆断層運動の痕跡が認められ,破砕帯中心部の主要すべり面においては右横ずれを示す構造が確認されました。これまで,周辺の地質構造や地形的特徴のみから想定されていた宍道断層の運動像ですが,本研究によって断層から直接評価を行うことができ,先行研究と同様の運動像であることが明らかとなりました。今後,断層破砕帯中の変形構造の形成時期を明らかにし,山陰地域周辺におけるテクトニクスの解明や,宍道断層の今後の活動について明らかにしたいと考えています。 山陰地域には,宍道断層以外にも調査が十分に行われていない断層が数多く存在します。今後も,野外地質調査を中心とした研究により,断層の運動像や活動履歴について明らかにし,地震防災につなげたいと考えています。図2 宍道断層破砕帯中央部の主要すべり面に認められる,右横ずれの痕跡を示す複合面構造図1 宍道断層破砕帯の写真(上)およびスケッチ(下)図3 宍道断層破砕帯南端部に認められる,逆断層センスの運動の痕跡を示す構造断層破砕帯の変形構造解析に基づく宍道断層の運動像の検討山陰地域をフィールドとする沈み込み帯での自然災害の予測?軽減技術の開発Development of prediction and mitigation technologies on naturaldisasters in subduction zone using San-in region as a research field
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