お宝研究Vol12
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13齋藤 文紀(学術研究院環境システム科学系エスチュアリー研究センター担当?教授)瀬戸 浩二(学術研究院環境システム科学系エスチュアリー研究センター担当?准教授)香月 興太(学術研究院環境システム科学系エスチュアリー研究センター担当?講師)三瓶 良和(学術研究院環境システム科学系総合理工学部担当?教授)清家  泰(学術研究院環境システム科学系エスチュアリー研究センター担当?特任教授)       Yoshiki saito (Professor, Academic Assembly Institute of Environmental Systems Science)Koji Seto (Associate Professor, Academic Assembly Institute of Environmental Systems Science)Kota Katsuki (Associate Professor, Academic Assembly Institute of Environmental Systems Science)Yoshikazu Sampei (Professor, Academic Assembly Institute of Environmental Systems Science)Yasushi Seike (Visiting Professor, Academic Assembly Institute of Environmental Systems Science)Project Leader :Leader : プロジェクトリーダー:研究代表者:研究者紹介概   要特   色研究成果今後の展望社会実装への展望The reconstruction of recent weather patterns and lake bottom environmental change using annual lamina in lagoon sediments 貧酸素水塊が発達する水域でみられる年縞堆積物を用いた水環境や気候変化の経年変動や季節変化を復元する手法を確立しました。季節ごとに湖底に堆積する年縞と呼ばれる堆積物の鉱物組成や化学組成,また含有する種々の微化石を分析することで,堆積当時の水環境や流入河川の状況を復元することが可能です。また,流入河川の流量変化の原因となる降水量などの経年変動も明らかにすることが出来ます。中海では浚渫により人工的に作られた窪地内において窪地形成以降の年縞堆積物を見ることができ,浚渫工事以降の窪地内の底層環境変化が明らかになります。 We have developed a standardized method to reconstruct annual and seasonal variation in hydroclimate using laminated layers deposited in lagoons and estuaries under oxygen-poor conditions. Annually deposited lamina usually contain seasonal bands that allow the reconstruction of the estuarine environment and river inflow using mineral and chemical content and microfossil analysis. In addition, changes in the annual to intra-annual patterns of rainfall, causing variation in river discharge, can also be seen in the data. Using annual lamina deposited in artificial dredged depressions in Lake Nakaumi, we have reconstructed changes in the lake bottom environment since the depressions were created. 近年,堆積物の年代測定技術向上に伴って,高年代精度の古環境復元が求められるようになり,それとともに湖底に堆積する年縞堆積物が注目を集めるようになりました。年縞堆積物は,底生生物が存在し,堆積物の擾乱がおきる場所では生成されないため,塩分躍層が発達し,貧酸素水塊が発生しやすい水深の深い汽水湖の湖底で良く確認することが出来ます。我々は,網走湖や藻琴湖といったオホーツク海沿岸の海跡湖群や日向湖?香湖(韓国)?梅湖(韓国)といった大发体育海沿岸の海跡湖の湖底に年縞堆積物が存在していることを調査し,その年縞堆積物に含まれる化学鉱物組成や微化石(珪藻)の群集変動から,堆積当時の湖沼の水環境や豪雨災害の発生頻度を高精度の年代スケールで明らかにしてきました1)2)。 今回,中海の浚渫窪地の湖底堆積物と湖底に堆積する沈降粒子の季節変化を調査し,浚渫直後から窪地内が貧酸素化し年縞堆積物が堆積しはじめたことや,窪地湖盆に堆積する沈降粒子は中海湖底からの再堆積粒子が多く含まれており,特に冬場に多量の堆積物の巻きあがりと再堆積がおきていることが明らかになりました。1) Katsuki, K., Yang, D.-Y., Lim, J., Lee, J.-Y., Asahi, H., Han, M., 2017. Multi-centennial-scale typhoon dynamics during the middle Holocene. Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology, 476, 140–146. 2) Katsuki, K., Nakanishi, T., Lim, J., Nahm, W.-H., 2017. Holocene salinity fluctuations of the East Korean lagoon related to sea level and precipitation changes. Island Arc, 26(6), e12214.   浚渫窪地内の年縞堆積物の研究により,浚渫後の窪地内の底層環境の移り変わりが季節?年スケールで解明できるようになりました。人工的な窪地は湖の富栄養化や貧酸素水塊の発生源となるため,慎重な対策が必要となります。窪地内の年縞研究は対策を決定するための基本情報を提供できるため,環境保護分野での活躍が期待できます。中海浚渫窪地で採取された2本のコアの軟X線写真.浚渫後年縞が堆積し始めたことが確認できます。海跡湖の年縞堆積物を用いた近過去における気象並び湖底環境の復元に関する研究Interdiciplinary research project on estuary, by taking advantage of Lake Shinji and Nakaumi in the Hii River water system as a model-field斐伊川水系宍道湖?中海をモデルフィールドとする閉鎖性水域学際研究プロジェクト

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