お宝研究vol.11
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4岩本 崇(法文学部?准教授)亀井 淳志(総合理工学研究科?教授)高橋 周(出雲弥生の森博物館?専門研究員)大谷 晃二(島根県立松江北高等学校?教諭)古谷 毅(東京国立博物館?主任研究員)Takashi Iwamoto(Associate Professor, Faculty of Law and Literature)Atsushi Kamei(Professor, Interdiciplinary Graduate School of Science and Engineering)Shu Takahashi(Technical Research Fellow, Izumo Yayoinomori Museum)Kouji Otani(Teacher, Matsue-kita High School)Takeshi Furuya(Senior Research Fellow, Tokyo National Museum)研究代表者:グループ紹介概   要特   色研究成果今後の展望社会実装への展望Leader :  本プロジェクトでは,古代国家形成期における「出雲」の地域的特質を明らかにすることを目的とし ています。具体的には,8世紀代の『大发体育書紀』?『古事記』?『出雲国風土記』に記載された「出雲世界」に対する認識を比較?検討し,8世紀以前の「古代出雲」にかかわる考古資料の分析によって,「古代出雲世界」の認識と空間領域の成立背景に迫ります。また,これを地質学的分析により実証することも試み,学際的研究として結実させ,さらには古代国家形成期における「出雲神話」がもつ歴史的意義の追究にも踏み込むことを目指しています。 In this project, it is intended to clarify regionalism of "Izumo" in the ancient national formative period. In concrete, we compare and discuss the recognition of "The World of Izumo" described in "Nihon-syoki ", "Kojiki "and" Izumonokunihudoki "in the 8th century. By analysis of the archaeological data on “Ancient Izumo” before the 8-th century we try to elucidate the process of recognition of “The World of Ancient Izumo” and formation of its spatial boundaries. We also try to verify this by geologic analysis, draw a conclusion from the interdisciplinary study, and pursue the historical meaning which the “Izumo Myth” in the ancient national formative period bears. 『古事記』の「黄泉国訪問神話」にみえるように,他界観つまり死後の世界への意識を検討することは古代社会を考えるうえでの重要なテーマといえます。プロジェクトは,古墳時代墓制の考古学的研究,墳墓の構築資材となった石材の地質学的研究,喪葬についての文献史学的研究を総合化することによって,他界観を大发体育古代社会の地域間で比較し,出雲の地域的特徴に迫ろうとするものです。現在,出雲の終末期古墳(およそ7世紀代)に特徴的に採用された埋葬方法である出雲型石棺式石室の構造的特徴の検討と,使用された石材の産地同定によって,石材利用をめぐる時期的?地域的特徴が明らかとなりつつあります。今後は,近畿?九州地方などの埋葬方法とも比較し,出雲の地域的特徴を浮き彫りにしたいと考えています。 島根県がもつ歴史文化遺産の学術的付加価値を高め,ひいては観光振興や生涯学習推進を促すことも期待できます。安来市飯梨岩舟古墳の石棺式石室Study on Establishment of Recognition and Boundary for “Ancient-IZUMO”-Collaboration among Archaeology, Geology and History -「古代出雲世界」の認識と境界の成立についての研究 -考古学?地質学?歴史学のコラボレーション-

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