お宝研究vol.11
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25研究テーマ名浦野 健(医学部?教授)松崎 有未(医学部?教授)原田 守(医学部?教授),田島 義証(医学部?教授),丸山 理留敬(医学部?教授)竹永 啓三(医学部?准教授),本間 良夫(医学部?特任教授)粕壁 隆(医学部?特任教授),加美野 宏樹(医学部?特任助教)宮本 憲一(戦略的研究推進センター?助教),Lucia Tomiyama(戦略的研究推進センター?特任助教)鈴宮 淳司(腫瘍センター?教授)Takeshi Urano (Professor, Faculty of Medicine)Yumi Matsuzaki (Professor, Faculty of Medicine)Mamoru Harada (Professor, Faculty of Medicine), Yoshitsugu Tajima (Professor, Faculty of Medicine)Riruke Maruyama (Professor, Faculty of Medicine)Keizo Takenaga (Associate Professor, Faculty of Medicine)Yoshio Honma,Takashi Kasukabe (Full-time Contract Professor, Faculty of Medicine)Hiroki Kamino (Full-time Contract Assistant Professor, Faculty of Medicine)Kenichi Miyamoto (Assistant Professor, Center for the Promotion of Project Research)Lucia Tomiyama (Full-time Contract Assistant Professor, Center for the Promotion of Project Research)Junji Suzumiya (Professor, University Hospital Cancer Center)センター長:副センター長:グループ紹介概 要特 色研究成果今後の展望社会実装への展望Director : SubDirector : 図1 採取した微生物の培養上清を膵がん細胞株に添加した後のギムザ染色 生存した細胞は下段のように,紫色に染まる。培養上清を添加した上段 では細胞が死滅したため,染まっていない。 島根県における人口十万人あたりの膵がん患者の数は全国でも上位にあります。膵がんは発見からの5年生存率が7%で,他のがんと比べると患者の予後が極めて悪いため,画期的な新しい治療法の開発が待ち望まれています。膵がんの撲滅を目指し,島根大学医学部?附属病院を中心に,基礎研究および臨床研究を集学的に推進し膵がんに対するバイオ医薬品など低侵襲的な新規治療法や早期診断法を開発します。 Morbidity for the pancreatic carcinoma in Shimane Prefecture is on a high level in Japan. It is a highly lethal cancer; mortality for the disease is also high. More than 90% of patients die within 5 years of their diagnosis and 75% of patients die within the first year. The mortality rate in Shimane prefecture is above the national average. Since it is a disease whose prognosis is extremely poor compared with other cancers, development of novel treatment methods is desired. Shimane University Hospital is taking a leading part in multidisciplinary, fundamental/clinical researchers with the aim of eradicating the pancreatic cancer. We will make a number of monoclonal antibodies for early diagnosis and/or treating the disease. 平成20年から島根県下の高校生を対象に,島根大学の研究紹介とがん?抗体医薬開発を含めた先端医学および科学技術の啓発のために講演?実験をおこなっています。平成28年度は出雲高校スーパーサイエンスハイスクール大高連携事業の一環として,出雲高校理数科2年生10名を受入れ,6月から月曜日の午後を利用して,半年間にわたり一緒に実験を行いました。島根県は湿度が高いため,膵がん細胞を殺す物質を産生する新種の微生物が発見できるかもしれないという仮説を基に行った研究を紹介します。高校生の身の回り(出雲高校の教室,公園や生徒宅など)からまず微生物を採取しました。採取したうちの一つの微生物の培養上清が膵がん細胞を殺すことがわかりました(図1)。さらに,光学顕微鏡(図2),電子顕微鏡,グラム染色および質量解析という最新の技術を用いて微生物の同定を行いました。現在,培養上清に含まれる物質の同定を進めています。 膵がん細胞を死滅させた上記の微生物は,新規の微生物ではありませんでしたが,培養上清中の物質を同定することができれば膵がんに対する新薬として開発することができるかもしれません。Antibody drug preparation against pancreatic cancer図2 微生物の光学顕微鏡写真 微生物は桿菌であることが判明した。膵がんを標的とする新たなバイオ医薬品?免疫療法の開発“SUIGANN” Project Center膵がん撲滅プロジェクトセンター
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