お宝研究vol.11
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6縄手 雅彦(総合理工学研究科?教授)廣富 哲也(総合理工学研究科?准教授)伊藤 史人(総合理工学研究科?助教)野田 哲夫(法文学部?教授)Masahiko Nawate (Professor, Interdisciplinary Graduate School of Science and Engineering)Tetsuya Hirotomi (Associate Professor, Interdisciplinary Graduate School of Science and Engineering)Fumihito Ito (Assistant Professor, Interdisciplinary Graduate School of Science and Engineering) Tetsuo Noda (Professor, Faculty of Law and Literature)研究代表者:研究者紹介概 要特 色研究成果今後の展望社会実装への展望Leader : 本プロジェクトは,画像処理や音声認識,機械学習などの情報技術を障がい児?者の機能や生活の改善に役立てる「福祉情報工学」の立場から,障がい児?者の支援の現場で実際に役に立つ技術やシステムを提案?開発していくことを目指しています。具体的には学習障がいを初めとする発達障がい児の学習やソーシャルスキルトレーニングを行うためのアプリケーション開発や,コミュニケーション支援機器の開発,重度肢体不自由者の生活の質を向上させるための意思伝達装置の適合化や限定的な操作で遊ぶことの可能なゲームの開発などを行っています。 This project aims to propose and develop technologies or systems which are useful for practical activities at the site in supporting impaired people to improve their functionality and life from a view point of “well-being information technology”, which makes use of information technologies such as image processing, voice recognition or artifi cial intelligence to improve or support ability and life of impaired people. In concrete, we will develop applications for social skill training to improve learning and social skills of those who have developmental disorder such as learning disorder. We also try to develop equipment to support communication, and applications for training to enhance social skills of people with developmental disorder or seriously physically handicapped people. In addition our interest is extended to the improvement of QOL of those people by using compatible communication equipment and simple single switched games. 本プロジェクトのテーマの一つは発達障がい児の学習支援やソーシャルスキルトレーニングへのICTの活用です。図1に示すのは漢字の読み書きに苦手さを持つ児童?生徒のために開発した漢字カードゲームです。画数や部首について理解を深めたり,偏と旁で漢字を合成したりすることで,遊びながら漢字とふれあうことが可能です。小学校1年生から6年生まで学習レベルに応じて遊べるようになっています。また,図2にはボディイメージの形成が十分でない自閉症児などのために開発中のポーズトレーニングアプリの動作を示しています。Kinectでヒトの動きを撮影し,それからスケルトンモデルを抽出してアバターに同じポーズを取らせます。目的動作とどの程度似ているかを自動判定するもので,リアルな顔などが苦手なことが多い自閉症児でも訓練できるようにアバターを活用します。漢字カードゲームなどこれらのアプリはH29年4月から学研の「実践障害児教育」で毎月連載記事として紹介されていきます。 また,国立研究開発法人大发体育医療研究開発機構(AMED)の事業である,進行したALS患者等のコミュニケーション支援機器の開発において,伊藤助教が,バイオフィードバックによるスイッチ入力特性の向上やメカニカルスイッチ等との比較研究を担当しています。これは,多くの患者さんから期待されている研究であり,国立病院機構新潟病院やロボットスーツHALで知られているサイバーダイン株式会社との共同研究です。 学習障がいをはじめとする学習に困難を抱えている児童?生徒の学習意欲を高めるゲーム形式の学習アプリを公開もしくは販売することで社会に成果を還元することを想定しています。図1 漢字カードゲーム画像図2 Kinectを用いた動作再現福祉情報工学の視点からの障がい者支援実践活動プロジェクトPractical assistance activity for impaired people based on well-being information technology
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